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MLB

年俸10倍アップも驚きなし!? 藤浪晋太郎の“可能性”に懸けたアスレティックスとの契約に見えるメジャーの視点

THE DIGEST編集部

2023.01.14

阪神でも160キロを超える剛速球を武器に異彩を放ってきた藤浪。その能力は米球界でも小さくない評価を受けた。写真:産経新聞社

阪神でも160キロを超える剛速球を武器に異彩を放ってきた藤浪。その能力は米球界でも小さくない評価を受けた。写真:産経新聞社

 特大のポテンシャルが“世界最高峰”の舞台でどれだけ発揮されるのか。28歳の日本人右腕に小さくない注目が集まっている。阪神タイガースからポスティングシステムを利用してのオークランド・アスレティックス入りが決定的となった藤浪晋太郎だ。
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 以前から藤浪は「挑戦したい」と、同世代の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が飛躍を遂げたメジャーリーグへの挑戦願望を隠してはいなかった。そして昨年10月に阪神首脳陣からも「頑張ってこい」(嶌村聡球団本部長談)とポスティングを容認され、水面下での交渉を含めて移籍先を模索し続けてきた。

 そうしたなかで、ポスティング期限ギリギリまで交渉を重ね、アスレティックス入りを決めた。では、現地で「ハイリスク、ハイリターンな存在」(『MLB Trade Rumors』)とも報道されている藤浪は同球団といかなる契約を結んだのか。

 日夜、メジャーを中心に球界のありとあらゆる移籍関連のニュースを発信している米野球専門メディア『MLB Trade Rumors』によれば、契約期間は1年。年俸325万ドル(約4億2000万円)で、ここにポスティング費用の20%にあたる65万ドル(約8400万円)が付帯。さらにインセンティブ(出来高)も支払われると見られている。
 
 藤浪が阪神と締結した昨年の年俸4900万円(推定)を考えれば、約10倍という大幅な昇給である。ちなみにアスレティックスに所属する選手の中でも5番目の年俸額となる。

 これについては日本でも「破格契約」「驚きの昇給」などと報じられた。だが、藤浪のポテンシャルを考えれば、さほど驚くべきものではないと言えるのではないか。というのも、昨年度におけるNPBの平均年俸は4312万円で、対してMLBは約4億3500万円と言われている。この差を考えれば、メジャー全体で見れば大規模な契約ではなく、そもそも昇給自体は当然されるものだと指摘できる。

 無論、平凡な投手であれば、年俸が10倍にまで膨れ上がるのは考えにくい。昨季年俸が5000万円に満たなかった藤浪にアスレティックスが4億円を超える額を支払ったのは、197センチという藤浪の体躯が秘める抜群の身体能力に加え、最速162キロのストレートと150キロ以上も記録したスプリットに、カットボールやスライダーなど多彩な変化球を投げられるポテンシャルが高く評価したからに他ならない。
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