メジャーリーガーとして、実働11年のキャリアを築いたエースは、連日のように違いを生み出している。目下、宮崎で開催されているワールド・ベースボール・クラシックに向けた日本代表合宿に参加中のダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)だ。
今合宿にメジャーリーガーとして唯一参加を認められたとはいえ、彼が動けば、人も動く。ファンからは「ダルビッシュさ~ん」「キャー! サインしてくださ~い」と絶叫にも似た黄色い声が飛び、それに応じようとした背番号11をカメラに収めようとメディアも動く。その光景は彼のスター性を物語るとともに、どこか異様にも映る。
そんななかで、偉才のスター性をより実感するシーンがあった。それは第1クール最終日となった19日の練習後だ。宿舎に移動するバスへ乗り込もうとしたダルビッシュは、眼前に集まったファンのもとへ歩み寄ってサインの求めに応じたのである。とりわけ驚かされたのは、多くの人だかりができていたなかで、彼が子どもを中心に書いていたところだった。
相手を選ばずサインをすべきという声もあるかもしれない。しかし、憧れのメジャーリーガーにサインをもらうのは、子どもたちにとってどれだけの価値があるかは想像に難くない。言い過ぎかもしれないが、将来的な野球界の発展に繋がる可能性も小さくないはずだ。
ダルビッシュの見せる有形無形の貢献には、栗山英樹監督も「ダルは僕以上に野球のことだったり、今の選手たちの状態、将来のことだったり、広く言えば、見ている子どもたちのことを含めてやってくれている」と感嘆の言葉を口にする。
本人にも明確に意識がある。「もちろん子どもたちもそうですし、こうやって来てくださるファンの方とかにも、ちゃんと想いを持つように、考えるようにしています」と語る36歳は、こう続けた。
「今まで独身の時とかは野球選手であることが一番でしたけど、結婚すると自分の一番の役割っていうのは夫であるので。それから父親が二番目に来て、その後に野球だと思うんで、やっぱり夫であって、父親ってところに、プロとして何とかしようとすると、そこにはどうしても目を届かせないといけない。そういうところで(考え方が)変わってきたと思います」
この合宿では、子どもたちの姿が多く目立っている。そんななかで、羨望の眼差しを受ける身としてどう振る舞うべきか。気さくにサインをする背番号11には、スターの矜持が窺えた。
構成●THE DIGEST編集部
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そんななかで、偉才のスター性をより実感するシーンがあった。それは第1クール最終日となった19日の練習後だ。宿舎に移動するバスへ乗り込もうとしたダルビッシュは、眼前に集まったファンのもとへ歩み寄ってサインの求めに応じたのである。とりわけ驚かされたのは、多くの人だかりができていたなかで、彼が子どもを中心に書いていたところだった。
相手を選ばずサインをすべきという声もあるかもしれない。しかし、憧れのメジャーリーガーにサインをもらうのは、子どもたちにとってどれだけの価値があるかは想像に難くない。言い過ぎかもしれないが、将来的な野球界の発展に繋がる可能性も小さくないはずだ。
ダルビッシュの見せる有形無形の貢献には、栗山英樹監督も「ダルは僕以上に野球のことだったり、今の選手たちの状態、将来のことだったり、広く言えば、見ている子どもたちのことを含めてやってくれている」と感嘆の言葉を口にする。
本人にも明確に意識がある。「もちろん子どもたちもそうですし、こうやって来てくださるファンの方とかにも、ちゃんと想いを持つように、考えるようにしています」と語る36歳は、こう続けた。
「今まで独身の時とかは野球選手であることが一番でしたけど、結婚すると自分の一番の役割っていうのは夫であるので。それから父親が二番目に来て、その後に野球だと思うんで、やっぱり夫であって、父親ってところに、プロとして何とかしようとすると、そこにはどうしても目を届かせないといけない。そういうところで(考え方が)変わってきたと思います」
この合宿では、子どもたちの姿が多く目立っている。そんななかで、羨望の眼差しを受ける身としてどう振る舞うべきか。気さくにサインをする背番号11には、スターの矜持が窺えた。
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