今季からメジャーリーグで導入される“新ルール”が、早くも物議を醸している。
話題となっているのは、「ピッチクロック」という新ルールだ。これは投球間隔の時短を目指すために設けられたもので、投手であれば、走者なしで15秒、走者ありで20秒以内に投球しないと1ボール。打者は8秒以内に打席に入って投球に備えなければ1ストライクを宣告される。
この新たなルールは現地2月24日から始まったオープン戦でもさっそく適用された。アリゾナ州ピオリアで行われたシアトル・マリナーズ戦では、サンディエゴ・パドレスの主砲マニー・マチャドが8秒以内に打席に入らなかったために1ストライクを宣告された。30歳のスラッガーは「慣れないとね」と試合後に語ったが、判定直後には「え、なんで?」と呆然と立ち尽くす素振りを見せていた。
また、ピッチャーが矢継ぎ早に投球をするシーンには、違和感を覚える声も上がっている。米スポーツ専門局『Bally Sports San Deigo』で実況を務めたドン・オルシロ氏は「『考えている暇はないぞ。ただ投げろ!』と言われているような感じだ」と、やや皮肉交じりに率直な感想を口にした。
無論、メジャーでプレーする日本人選手たちにも小さくない影響はある。米スポーツ専門局『CBS Sports』のダニー・ヴィエッティ記者は自身のツイッターに「昨年のショウヘイ・オオタニは1000球以上を投げた投手の中で、満塁ではMLBで最も遅いテンポ、走者がいる状態で3番目に遅いテンポで投げる投手だった」と指摘。「オオタニはピッチクロックでテンポの調整をする必要がある」と二刀流戦士の投球スタイルに注意を促している。
「もちろん、対戦相手だったアストロズの打者のテンポも関係している。だが、オオタニの投球テンポが全球団の投手で最も遅かったのには理由がある。これは変える必要がある」
もっとも、ピッチクロックによる効果は抜群と見られている。すでに試験導入がされていたマイナーリーグでは、平均26分も試合時間が短縮。MLBはこれによって試合の視聴者数の増加を図る狙いだ。
はたして、ピッチクロックはメジャー球界にどのような影響をもたらしていくのか。日本人選手が馴染めるかどうかも含めて注目していきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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話題となっているのは、「ピッチクロック」という新ルールだ。これは投球間隔の時短を目指すために設けられたもので、投手であれば、走者なしで15秒、走者ありで20秒以内に投球しないと1ボール。打者は8秒以内に打席に入って投球に備えなければ1ストライクを宣告される。
この新たなルールは現地2月24日から始まったオープン戦でもさっそく適用された。アリゾナ州ピオリアで行われたシアトル・マリナーズ戦では、サンディエゴ・パドレスの主砲マニー・マチャドが8秒以内に打席に入らなかったために1ストライクを宣告された。30歳のスラッガーは「慣れないとね」と試合後に語ったが、判定直後には「え、なんで?」と呆然と立ち尽くす素振りを見せていた。
また、ピッチャーが矢継ぎ早に投球をするシーンには、違和感を覚える声も上がっている。米スポーツ専門局『Bally Sports San Deigo』で実況を務めたドン・オルシロ氏は「『考えている暇はないぞ。ただ投げろ!』と言われているような感じだ」と、やや皮肉交じりに率直な感想を口にした。
無論、メジャーでプレーする日本人選手たちにも小さくない影響はある。米スポーツ専門局『CBS Sports』のダニー・ヴィエッティ記者は自身のツイッターに「昨年のショウヘイ・オオタニは1000球以上を投げた投手の中で、満塁ではMLBで最も遅いテンポ、走者がいる状態で3番目に遅いテンポで投げる投手だった」と指摘。「オオタニはピッチクロックでテンポの調整をする必要がある」と二刀流戦士の投球スタイルに注意を促している。
「もちろん、対戦相手だったアストロズの打者のテンポも関係している。だが、オオタニの投球テンポが全球団の投手で最も遅かったのには理由がある。これは変える必要がある」
もっとも、ピッチクロックによる効果は抜群と見られている。すでに試験導入がされていたマイナーリーグでは、平均26分も試合時間が短縮。MLBはこれによって試合の視聴者数の増加を図る狙いだ。
はたして、ピッチクロックはメジャー球界にどのような影響をもたらしていくのか。日本人選手が馴染めるかどうかも含めて注目していきたい。
構成●THE DIGEST編集部
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