３月９日、侍ジャパンはワールド・ベースボール・クラシック（WBC）１次ラウンドプールBの第１戦で中国代表と対戦。8対1で圧勝し、WBC初戦を白星でスタートした。　

　最大の注目は、やはり「3番・投手兼指名打者」というWBC史上初の”二刀流”で出場した大谷翔平（ロサンゼルス・エンジェルス）だ。誰もが固唾を飲んで注目した初回のマウンド。大谷は先頭打者を空振り三振に仕留めると、３番の真砂勇介を三ゴロに打ち取った時には158キロを記録した。

　この日はスライダーの切れ味が良く、２回以降は中国打線から空振りを奪っていった。終わってみれば4回49球を投げ、被安打1、5奪三振、無四球、無失点とほぼ完璧な内容で好投し、WBC初登板初勝利を飾った。

　ベンチで見守った吉井理人投手コーチも「凄かったです。変化球もうまくなっていた」と圧巻のピッチングを称賛。具体的には「変化球のコントロールがより精度が上がっている」と評すと、「スーパーメジャーリーガーに言うのもあれですけど、野球うまくなったなと思いました」と感服した様子だった。

　また、試合前の様子については「ブルペンでは1球もストライクが入っていなかったので、大谷らしいところを久しぶりに見たなという感じでした」と、ブルペンでの様子とはまるで別人だったと明かした。

　球数制限（65球）もあるなか、49球という“省エネ”で降板した点についても評価しており、「思ったより1イニング多く投げてくれて助かりました」と感謝した。
  　10日19時からの１次ラウンド第２戦の相手は宿敵・韓国。しかも、相手は初戦のオーストラリア戦を7対8で黒星スタートとなり、早くも崖っぷち。日本戦は死に物狂いで来ることが予想される。

　吉井コーチは韓国戦に先発するダルビッシュ有については「ダルらしいピッチングをしてくれたら」と、36歳のベテラン右腕に厚い信頼を寄せるが、”総力戦”であることは変わらないと言い、「今日（９日）もそうですけど、いいピッチャーをどんどんつぎ込んでいきたい」と、早い回からの継投を示唆した。

　幸先いいスタートを切った侍ジャパン。14年前のWBCファイナルで死闘を演じた韓国との一戦は、どんな戦いになるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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