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侍ジャパン

「あれ以上の経験はない」チェコの軟投派右腕が大谷翔平から三振を奪ったボールの行方を告白!「土だって保管してる」

THE DIGEST編集部

2023.04.01

緩急を使い分けたピッチングで、大谷(右)を軸とする日本打線を翻弄したサトリア(左)。そんな右腕が日本での思い出を語った。写真:鈴木颯太朗、Getty Images

緩急を使い分けたピッチングで、大谷(右)を軸とする日本打線を翻弄したサトリア(左)。そんな右腕が日本での思い出を語った。写真:鈴木颯太朗、Getty Images

 世界を取り込んでありとあらゆる話題を提供したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。この野球の一大トーナメントで人気を博したのがチェコ代表だ。

 まさに記録よりも記憶に残るチームだった。

 1次ラウンドは大会を制した日本代表と同じプールBに属したチェコ。その下馬評は決して高くはなかった。選手たちも大半が別の職業を兼務するため、実力は日本や韓国に比べて劣っていた。

 しかし、「ここに立てることに感激の感情以外にない」と語ったパベル・ハジム監督を筆頭に笑顔でグラウンドに立ち続けた彼らは、初戦の中国戦で初勝利(8対5)を飾って、野球界に驚きを提供した。

 残り3戦は全敗したものの、いずれも内容は中盤まで接戦を演じる好ゲームばかり。そして何より和を重んじ、野球を素直に楽しむ彼らの姿は、日本代表の栗山英樹監督が「本当に野球が大好きで、必死な思いを感じました。実際、みんな一生懸命で礼儀正しい」と言うように日本人の胸を打つものがあった。

 そんなチェコにあって小さくない話題を作ったのが、軟投派右腕のオンジェイ・サトリアだった。3月11日の日本戦に先発した26歳は、110キロ台の遅球で強力打線を翻弄。3回には「打者・大谷翔平」から空振り三振を奪い、観客を沸かせた。
 
 では、サトリアにとってWBCはどのような大会だったのだろうか。現地3月31日に母国のラジオ局『iROZHLAS』のインタビューに応じた彼は「僕にとって、いや世界中を探しても、あれ以上の経験はないと思う」と語った。

 日頃は電気技師としても働くサトリアにとって、大会MVPにも輝いた大谷との対戦はとくに刺激になったという。奪三振を記録した彼は「価値ある出来事だった」と回想したうえで、大会後に起きたエピソードを披露した。

「家族や友だちは、ショウヘイ・オオタニを三振にさせたボールがどこにあって、どうしているのか。それとオオタニがどんな人だったのかを気にしていたよ。まぁ数回しか話してないから答えられなかったけどね。

 もちろんボールは家にちゃんと保管してある。もうケースも購入済みさ。ちゃんと棚に置いておくためにね。あと、あの試合でスパイクについていた土だって取ってある。すぐに袋に入れて取ってあったから、今は瓶にいれて保管してあるんだ。とにかくボールはオオタニのポスターと一緒に部屋に飾るよ」

 世界ナンバーワンの偉才と繰り広げた“激闘”。日本人にとっても印象深い闘いは、何よりも当事者にとってかけがえのない出来事になったようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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