現地３月30日に開幕したメジャーリーグの2023年シーズン。今年も華々しいオープニングデーではさまざまな出来事が起こったわけだが、今最も注目を集めているのは、ロサンゼルス・エンジェルスとオークランド・アスレティックスの試合終了後に起きたファンと選手による緊迫のやり取りだ。

　事の発端となったのは、１対２で敗れたエンジェルスの面々がロッカールームへと引き上げている最中の出来事だった。アスレティックス・ファンとおぼしき男性に向かって、ベテランのアンソニー・レンドーンが激昂。胸ぐらを掴みかかると、BワードとFワードを用いながら「お前、俺になんて言った？ 俺をクソ野郎って呼んだよな？」と怒ったのだ。

　未遂に終わったものの、ビンタも見舞おうとしたレンドーン。敗戦後の振る舞いだけに苛立ったがゆえの“大人げない行動”とも言える一方で、男性が試合中から野次を飛ばしていたという情報もあり、32歳のスラッガーの振る舞いには賛否両論が相次いだ。

　SNS上で問題の場面を切り取った動画が拡散されると、ファンや識者からコメントが噴出。一部のユーザーからは「そもそも中継ぎがオオタニをサポートしていれば、こんなことにはならなかった」「あとたった６か月、それで自由だぞ、オオタニ。それにしても、君は全盛期の貴重な時期を（エンジェルスの本拠地）アナハイムで無駄にしてしまったな」との指摘が。やはりアスレティックス戦で６回無失点、10奪三振の好投を見せた大谷翔平に対する意見が集まった。
  　一方でアスリートとして、心無い野次に耐え切れなかったレンドーンを擁護する声もある。ボストン・レッドソックスのカーソン・スミスは「選手がこれだけの反応をするってことはそれに値する何かがあったってことだよ」と指摘。さらにアメリカのプロテニスプレーヤーであるスティーブ・ジョンソンは「いいぞ！レンドーン」とキッパリ。そして、こう続けた。

「僕は何も問題ないと思っているよ。安い席に座る『ピエロ』は、どんな反発も受けないと思っているからね」

　依然として、経緯は不明だ。それだけにMLBが行なっているという調査の進展が注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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