侍ジャパンの世界一もあって、日本中を熱狂させたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。さまざまなサイドストーリーに彩られた大会にあって、清々しい空気を届けたのは、「セミプロ軍団」のチェコ代表だった。
1次ラウンドは初戦の中国戦を除いて全敗。さらにトータルで30失点を喫するなど、戦績はお世辞にも褒められたものではない。それでも、選手たちも大半が消防士や会計士など別の職業を兼務するチェコの戦士たちが見せた奮闘は東京ドームを大いに沸かせ、ファンの胸を打った。
史上初の国際舞台で堂々たるパフォーマンスを披露したチェコ。日本でのエキサイティングな日々は、選手たちにとっても刺激的だったようだ。東欧の雄を牽引した主将のマルティン・ムジークは、母国の日刊紙『Prachaticky Denik』のインタビューで「日本はとても素晴らしい場所だった」と回想。チームメイトのウィリー・エスカラが、佐々木朗希(ロッテ)から死球を受けた翌日に両手いっぱいのお菓子とお詫びを受けたエピソードをふまえ、次のように振り返っている。
「ロウキが僕らのところに謝りに来た話が象徴していると思うんだけど、日本人は本当に謙虚で、本当に素晴らしい国だった。中国戦の後には僕の携帯には400件以上のメッセージが寄せられたんだけど、そのうちの半分以上は日本人からの『おめでとう』『応援しているよ』というものだった。あと日本戦にいたっては4万5000人以上が僕らを見てくれた。本当に信じられない経験をさせてもらえたよ」
さらに佐々木の行動を「素晴らしいと思うし、簡単なようで簡単ではない振る舞いだ」と激賞した27歳のキャプテンは、「日本人には本当に感謝したい」とも吐露。そのうえで「いまチェコは野球だけでは生計を立てられない。多くの選手が自分の時間を犠牲にしてプレーしている」と国内球界の現状を訴え、「サッカーほどの人気スポーツには抗えない。だから、このWBCでの成功で野球人気が高まってくれたら嬉しいね」と想いを明かした。
3年後にやってくる次回大会は予選免除になるチェコ。「もちろん出たい」と語ったムジークを中心に、より成長した姿を見せてくれるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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1次ラウンドは初戦の中国戦を除いて全敗。さらにトータルで30失点を喫するなど、戦績はお世辞にも褒められたものではない。それでも、選手たちも大半が消防士や会計士など別の職業を兼務するチェコの戦士たちが見せた奮闘は東京ドームを大いに沸かせ、ファンの胸を打った。
史上初の国際舞台で堂々たるパフォーマンスを披露したチェコ。日本でのエキサイティングな日々は、選手たちにとっても刺激的だったようだ。東欧の雄を牽引した主将のマルティン・ムジークは、母国の日刊紙『Prachaticky Denik』のインタビューで「日本はとても素晴らしい場所だった」と回想。チームメイトのウィリー・エスカラが、佐々木朗希(ロッテ)から死球を受けた翌日に両手いっぱいのお菓子とお詫びを受けたエピソードをふまえ、次のように振り返っている。
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3年後にやってくる次回大会は予選免除になるチェコ。「もちろん出たい」と語ったムジークを中心に、より成長した姿を見せてくれるだろうか。
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