心機一転を図らせるべく、オークランド・アスレティックスの首脳陣が決断を下した。現地４月24日に藤浪晋太郎を先発ローテーションから外し、中継ぎに配置転換するとしたのだ。
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　今季に念願のメジャー移籍を叶えたばかりだった藤浪。しかし、デビュー以降の彼の投球内容は悠長に眺めてはいられないほどに悪化していた。

　15イニング（４試合）を投げ、防御率は14.40。1.10未満なら「優秀」とされるWHIPは2.07と平均以下。さらに投手の責任範囲とされる被本塁打、奪三振、与四球を基に算出する指標FIPもMLBの先発投手の平均値（4.89）を下回る7.36と精彩を欠いていた。投球内容の悪さは22日（現地）のテキサス・レンジャーズ戦後に本人が「最悪です」と嘆いた通りである。

　当然、ボールやマウンドを含めて日本とは異なる環境にアジャストしきれていない問題はある。だが、藤浪は多くのスタッツが平均以下。さらに今季に５勝18敗と大幅に出遅れたチーム事情もあって、配置転換は即決された格好だ。
  　もっとも、現地メディアでも藤浪のリリーバー転向は「至極当然」と見る向きが強い。地元放送局『NBC Sports』は「フジナミはコマンド（制球）に関する懸念を抱え、事態は春先のキャンプに感銘を与えられた指揮官が描いたような理想的な形では進んでいない」と指摘。そのうえで、中継ぎへの転換によって「ブルペン入りが、チームにとっても、彼自身にとっても、有益なものになると願いたい」と期待を込めた。

　また、MLBの移籍情報を中心に取り扱っている米専門サイト『MLB Trade Rumors』は、「アスレティックスは低コストのギャンブルに手を出し、ついにサイコロを転がした。フジナミは日本でも秀逸な球速と三振が取れるボールを見せる。が、そこには膨大な四球の問題が付きまとう」と指摘しながらも、「明らかにフジナミ自身が思い描いたスタートではない。チームはパワフルなボールが活かせる可能性のある短いイニングで結果が出るように願っている」と、29歳の新人に対して同情的に綴った。

　誰もが羨むほどの特大のポテンシャルを秘めながら、それを完全に活かしきれずにいる藤浪。ここから続くであろう試練を彼は乗り越えられるだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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