あまにりも凄まじい勢いで進化を遂げている佐々木朗希(ロッテ)。WBCにも出場した彼への注目度は、アメリカでも日増しに高まっている。MLB.comのレポーターとしても活躍するマーク・ファインサインド記者が各球団の幹部に佐々木の評価を聞いた。
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日本ですでに伝説を作った佐々木朗希は、2023年のワールド・ベースボール・クラシックで最も興味を惹く選手の一人となった。驚くべきことに、21歳の右腕は周囲の過剰な期待に応えるどころか、それを上回るほどの活躍を見せている。
WBCのチェコ戦では3.2回を投げて8三振を奪い、自責点0の好投。準決勝のメキシコ戦では4回で3点を失ったが、100マイルを超える速球(4シームは29球中26球が100マイル以上だった)と平均91.2マイルのスプリッターで見る者を驚嘆させた。
「現時点ですでに地球上で最高級のファストボールを投げる」とあるMLB球団のスカウトは言う。「100マイルを超える速球に加えて、スプリッターというワールドクラスの決め球も持っている。実際、あれほど圧倒的なスプリッターを投げる投手は他にいないよ」
高校時代から注目を浴びていた佐々木はプロ2年目の昨年、本格的にブレイクした。4月に19三振を奪っての完全試合を達成し、次の試合でも8回パーフェクト、14奪三振という快投を披露した。
「もし彼が今年のMLBドラフトで指名資格があれば、間違いなく全体1位で指名されるだろう」と某スカウトは言った。彼は、今ドラフトで最高の投手とされるルイジアナ州立大のポール・スキネスよりも佐々木を評価している。「ササキはスキネスよりレベルの高いリーグでほぼ同等の成績を残している。大谷(翔平)もダルビッシュ(有)も、今季の彼ほど高い奪三振率(※注:6月11日時点で13.94)を記録したことはない。しかも、コンタクト率が高いリーグでそれだけの数字を残しているんだ」
MLB球団の2人の幹部は、佐々木の資質をジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)になぞらえた。デグロムはメッツ時代の18~19年に2年連続でサイ・ヤング賞を獲得し、通算防御率2.53を誇る。私は6人の編成トップに佐々木の能力について尋ねたが、6人全員がMLBに移籍したら「決して見逃せないスターになる」と断言した。
「数年前、圧倒的な投球を見せていた頃のデグロムに最も近い存在だと思う」とある球団幹部は言った。「MLBレベルのスライダー/カーブが加われば――実際にそうなりつつあるが――アメリカでも最高級の投手になるだろう」
「デグロムと同じ速球/スライダーのコンビネーションだけじゃなくて、空振りを量産するスプリッターもある」ともう一人の球団幹部は指摘する。「メジャーでもエース級の投手になるポテンシャルを秘めている」
大谷やダルビッシュ、田中将大らと同じように、佐々木も将来必ずメジャーリーグに移籍するだろう。
27年まで待てば、佐々木はポスティング・システムを経由せずフリー・エージェントとしてMLB球団と契約できる。千葉ロッテがポスティングを認めれば、もっと早くアメリカに来る可能性もある。25歳でNPB経験6年以上という条件を満たしていない場合は、MLBの国際ボーナスプールの制限内で契約しなければならない。大谷の場合がそうで、彼は23歳の時に契約金わずか230万ドルでエンジェルスに入団した。
「無理のない投球フォームからエリートクラスの球を投げる。将来的には、優秀なコマンド(注:狙ったスポットにボールを投げ込む能力のこと。「コントロール」はストライクを取る能力を指す)能力も身に着くだろう」とあるスカウトは言う。「可能なら、少しでも早くMLBに来てほしいね」
文●マーク・ファインサンド
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日本ですでに伝説を作った佐々木朗希は、2023年のワールド・ベースボール・クラシックで最も興味を惹く選手の一人となった。驚くべきことに、21歳の右腕は周囲の過剰な期待に応えるどころか、それを上回るほどの活躍を見せている。
WBCのチェコ戦では3.2回を投げて8三振を奪い、自責点0の好投。準決勝のメキシコ戦では4回で3点を失ったが、100マイルを超える速球(4シームは29球中26球が100マイル以上だった)と平均91.2マイルのスプリッターで見る者を驚嘆させた。
「現時点ですでに地球上で最高級のファストボールを投げる」とあるMLB球団のスカウトは言う。「100マイルを超える速球に加えて、スプリッターというワールドクラスの決め球も持っている。実際、あれほど圧倒的なスプリッターを投げる投手は他にいないよ」
高校時代から注目を浴びていた佐々木はプロ2年目の昨年、本格的にブレイクした。4月に19三振を奪っての完全試合を達成し、次の試合でも8回パーフェクト、14奪三振という快投を披露した。
「もし彼が今年のMLBドラフトで指名資格があれば、間違いなく全体1位で指名されるだろう」と某スカウトは言った。彼は、今ドラフトで最高の投手とされるルイジアナ州立大のポール・スキネスよりも佐々木を評価している。「ササキはスキネスよりレベルの高いリーグでほぼ同等の成績を残している。大谷(翔平)もダルビッシュ(有)も、今季の彼ほど高い奪三振率(※注:6月11日時点で13.94)を記録したことはない。しかも、コンタクト率が高いリーグでそれだけの数字を残しているんだ」
MLB球団の2人の幹部は、佐々木の資質をジェイコブ・デグロム(レンジャーズ)になぞらえた。デグロムはメッツ時代の18~19年に2年連続でサイ・ヤング賞を獲得し、通算防御率2.53を誇る。私は6人の編成トップに佐々木の能力について尋ねたが、6人全員がMLBに移籍したら「決して見逃せないスターになる」と断言した。
「数年前、圧倒的な投球を見せていた頃のデグロムに最も近い存在だと思う」とある球団幹部は言った。「MLBレベルのスライダー/カーブが加われば――実際にそうなりつつあるが――アメリカでも最高級の投手になるだろう」
「デグロムと同じ速球/スライダーのコンビネーションだけじゃなくて、空振りを量産するスプリッターもある」ともう一人の球団幹部は指摘する。「メジャーでもエース級の投手になるポテンシャルを秘めている」
大谷やダルビッシュ、田中将大らと同じように、佐々木も将来必ずメジャーリーグに移籍するだろう。
27年まで待てば、佐々木はポスティング・システムを経由せずフリー・エージェントとしてMLB球団と契約できる。千葉ロッテがポスティングを認めれば、もっと早くアメリカに来る可能性もある。25歳でNPB経験6年以上という条件を満たしていない場合は、MLBの国際ボーナスプールの制限内で契約しなければならない。大谷の場合がそうで、彼は23歳の時に契約金わずか230万ドルでエンジェルスに入団した。
「無理のない投球フォームからエリートクラスの球を投げる。将来的には、優秀なコマンド(注:狙ったスポットにボールを投げ込む能力のこと。「コントロール」はストライクを取る能力を指す)能力も身に着くだろう」とあるスカウトは言う。「可能なら、少しでも早くMLBに来てほしいね」
文●マーク・ファインサンド
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