日本人右腕の電撃トレードは、はたしてどんな意味をもたらすのか。
現地時間7月19日、オークランド・アスレティックスの藤浪晋太郎がア・リーグ東地区で首位に立つボルティモア・オリオールズへの電撃トレードが決定した。
藤浪はここまで34試合に登板し、5勝8敗3ホールド、防御率8.57。メジャー1年目右腕は、開幕序盤こそ先発ローテの一角として臨んだが、NPB時代から指摘され続けた制球難が露呈。不振を極めた29歳は、4月末から中継ぎへ配置転換された。以降も5月までは、防御率9点台と苦しんだが、徐々にメジャーの環境に適応。6月以降は同3.26、7月は同2.25と尻上がりに調子を上げ、ここ11試合は連続無四球と制球難も改善。今季27勝71敗とダントツ最下位に沈むチームのなかで、火消しとしての地位を確立しつつあった。
現地メディアも、今回のトレードに期待を寄せている。米メディア『The Athletic』はタンパベイ・レイズとの首位攻防戦を制し、首位に浮上したオリオールズが、なぜ藤浪を獲得したのか。その理由について「明確な2つのニーズがある」と指摘したうえで、次のように解説している。
「中継ぎと先発投手に課題のあったオリオールズは、クローザーのフェリックス・バティスタと、セットアップのイェニアー・カノーの前のオプションとして、ブルペンの一角を担うための投手としてフジナミに目をつけた。彼の加入で、オリオールズは先述した中継ぎの補強を満たした。開幕当初のフジナミは大苦戦を強いられ、成績にばらつきがあったものの、7月の登板7試合で防御率2.25と、リリーフとしての調子を完全に掴んだ」
加えて、「身長197センチのフジナミは、102マイル(約164キロ)を記録するフォーシームを武器とする。スプリッターは彼の最も得意とする球種であり、この2ヶ月でよりコンスタントにストライクを取れるようになった。カッター、スライダー、シンカー、カーブもある」と持ち味の速球だけでなく、変化球の切れ味にも一定の評価を下している。
また、同メディアは「フジナミは過去、A'sで最も安定したリリーバーのひとりであったが、チームがシーズン100敗ペースで向かっている今、自分の価値を求めてトレードを試みるのは理にかなっている」と今回のトレードを肯定的に捉えているようだ。
弱小チームから一転、ポストシーズン進出も可能な強豪に移った藤浪。熾烈な首位争いを繰り広げるレイズや5.5ゲーム差で追うトロント・ブルージェイズ、さらには吉田正尚が所属するボストン・レッドソックスや過去最多のワールドチャンピオン27回を誇るニューヨーク・ヤンキースといった強豪ひしめく東地区で、日本人右腕には火消しとしての大きな働きが期待されている。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】100マイル超の速球で三振を奪う藤浪晋太郎
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藤浪はここまで34試合に登板し、5勝8敗3ホールド、防御率8.57。メジャー1年目右腕は、開幕序盤こそ先発ローテの一角として臨んだが、NPB時代から指摘され続けた制球難が露呈。不振を極めた29歳は、4月末から中継ぎへ配置転換された。以降も5月までは、防御率9点台と苦しんだが、徐々にメジャーの環境に適応。6月以降は同3.26、7月は同2.25と尻上がりに調子を上げ、ここ11試合は連続無四球と制球難も改善。今季27勝71敗とダントツ最下位に沈むチームのなかで、火消しとしての地位を確立しつつあった。
現地メディアも、今回のトレードに期待を寄せている。米メディア『The Athletic』はタンパベイ・レイズとの首位攻防戦を制し、首位に浮上したオリオールズが、なぜ藤浪を獲得したのか。その理由について「明確な2つのニーズがある」と指摘したうえで、次のように解説している。
「中継ぎと先発投手に課題のあったオリオールズは、クローザーのフェリックス・バティスタと、セットアップのイェニアー・カノーの前のオプションとして、ブルペンの一角を担うための投手としてフジナミに目をつけた。彼の加入で、オリオールズは先述した中継ぎの補強を満たした。開幕当初のフジナミは大苦戦を強いられ、成績にばらつきがあったものの、7月の登板7試合で防御率2.25と、リリーフとしての調子を完全に掴んだ」
加えて、「身長197センチのフジナミは、102マイル(約164キロ)を記録するフォーシームを武器とする。スプリッターは彼の最も得意とする球種であり、この2ヶ月でよりコンスタントにストライクを取れるようになった。カッター、スライダー、シンカー、カーブもある」と持ち味の速球だけでなく、変化球の切れ味にも一定の評価を下している。
また、同メディアは「フジナミは過去、A'sで最も安定したリリーバーのひとりであったが、チームがシーズン100敗ペースで向かっている今、自分の価値を求めてトレードを試みるのは理にかなっている」と今回のトレードを肯定的に捉えているようだ。
弱小チームから一転、ポストシーズン進出も可能な強豪に移った藤浪。熾烈な首位争いを繰り広げるレイズや5.5ゲーム差で追うトロント・ブルージェイズ、さらには吉田正尚が所属するボストン・レッドソックスや過去最多のワールドチャンピオン27回を誇るニューヨーク・ヤンキースといった強豪ひしめく東地区で、日本人右腕には火消しとしての大きな働きが期待されている。
構成●THE DIGEST編集部
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