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トラウトより前にドラフト指名されたグリチックに“大谷級”長距離砲のクロン――エンジェルスが“古巣復帰”の野手2人をロッキーズから緊急補強!<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.31

グリチック(左)はカーディナルス、ブルージェイズでも攻守を兼ね備たレギュラーとして活躍。クロン(右)もレイズ時代に30本塁打を放つなど、打者天国の恩恵を受けただけの打者ではない。(C)Getty Images

 現地7月30日、エンジェルスはメジャー通算183本塁打の外野手ランダル・グリチックと、同186本塁打の一塁手CJ・クロンをロッキーズからトレードで獲得したと発表。代わって、球団プロスペク・トランキング(MLB公式版)8位のジェイク・マッデン、同28位のメイソン・オルブライトの両投手を放出した。

 今季がメジャー10年目のグリチックは強肩と強打を兼ね備えた外野手で、19年に31本塁打を記録した実績もある。過去2年は調子がいまひとつだったが、今季は打席アプローチの向上もあって、ここまで64試合に出場して打率.308/OPS.861。7月は15試合で6本塁打を放つなど勢いに乗っており、ヤンキースの他、ブルワーズやガーディアンズなども食指を伸ばしていたと伝えられる。
 
 一方のクロンは、こと飛ばす力にかけては大谷翔平にも勝るとも劣らない長距離砲とだ。過去2年はいずれも28本塁打以上を放っているだけでなく、今季は長打になりやすい打球速度/角度で放たれた打球の割合を表す「バレル率」という指標で、メジャー6位の11.4%を記録(大谷は同3位の12.1%)。4月11日のカーディナルス戦ではマイルズ・マイコラスから、飛距離146メートルの超特大弾をかっ飛ばしている。守備は一塁&DH専門だが、マイク・トラウトやテイラー・ウォードが故障離脱する中、大谷を援護できる貴重な存在となるだろう。

 なお、グリチックもクロンもプロ入りはエンジェルスという共通点がある。クロンは11年のドラフト全体17位で加入し、大谷が入団する前年の17年まで在籍。デビューした14年から4年連続2ケタ本塁打を記録している。グリチックは09年ドラフト全体24位でプロ入り。その次の指名でトラウトが指名されたという縁がある。

 同地区ではレンジャーズなども大型補強を展開する中、悲願のプレーオフ出場に向けて"古巣"に復帰した2人の活躍に期待したい。

構成●SLUGGER編集部
 
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