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MLB

「エンジェルス、大谷を放出しないことを決断」と米メディア報道!9年ぶりプレーオフを目指してトレード市場では一転して「買い手」へ<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.07.27

オフにFAとなる大谷だが、少なくとも今シーズンはエンジェルスの一員としてプレーすることが濃厚になった。(C)Getty Images

オフにFAとなる大谷だが、少なくとも今シーズンはエンジェルスの一員としてプレーすることが濃厚になった。(C)Getty Images

 エンジェルスはついに腹を固めたようだ。7月26日(現地)、『スポーツ・イラストレイテッド(SI)』電子版で敏腕記者として知られるトム・バードゥッチが「エンジェルスが大谷を放出しないことを決めた」と報道。オフにフリー・エージェント(FA)となる稀代の二刀流選手とともに、最後までプレーオフ進出を目指して戦うことを決断したのだという。

 大谷のトレードをめぐっては、7月に入ってからさまざまな情報が錯綜していた。エンジェルスは他球団からのトレード申し込みにも耳を傾けつつ、自軍の戦況、さらには大谷との再契約可能性も考慮しながら、ギリギリまで決断を留保するとみられていた。しかし、トレード期限までまだあと1週間と、比較的時間が残っている段階で結論を下したことになる。

 エンジェルスファンにとっては朗報だが、状況は決して楽観できない。26日を迎えた時点で、エンジェルスは52勝49敗でワイルドカード3位から4ゲーム差。アメリカのデータサイト『FanGraphs』と『Baseball-Reference』が算出したプレーオフ進出確率はそれぞれ15.8%と10.0%にすぎない。

 しかも、8月は“死のスケジュール”が待っている。実に3週間以上にもわたって、息つく暇もなく強豪チームとの戦いが続くのだ。
7/31~8/2 ブレーブス
8/3~8/6 マリナーズ
8/7~8/9 ジャイアンツ
8/11~8/13 アストロズ
8/14~8/16 レンジャーズ
8/18~8/20 レイズ
8/21~8/23 レッズ

 右手有鈎骨骨折で離脱中のマイク・トラウトの復帰は早くても8月中旬予定で、現状の戦力ではとても心許ない。

 エンジェルスもそのあたりは承知しているはず。『SI』の記事では「大谷をトレードしない」だけでなく、「デッドラインでは“買い手”に回る」とも書かれている。大谷放出から一転、今度は9年ぶりのプレーオフ進出のため、弱点である投手陣の底上げに全力を注ぐことになりそうだ。

 エンジェルスの決断は、トレード市場全体の動きにも影響を与えるに違いない。『SI』の記事が出る少し前、『ジ・アスレティック』は「大谷の動向が決まらないため、トレード市場全体の動きが鈍くなっている」と報じていた。大谷を狙っていたチームにすれば、大谷の動向が決まらない限りは他のトレードにも動きにくい。だが、エンジェルスが大谷を放出しないと決断すれば、すぐさま「プランB」へ向けて動き出すことが予想される。

 大谷という最大の目玉が消えたレード市場はどのように動くのか。そして、低い可能性にあえて賭けたエンジェルスはどのようにチームを強化するのか。いよいよ夏の戦場がヒートアップすることになりそうだ。

構成●SLUGGER編集部
 
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