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「昨日の友は今日の敵」!チームメイトから一転、地区ライバルに分かれて戦うことになったシャーザーとバーランダー<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.08.02

メッツでの共闘から一転、シャーザー(左)とバーランダー(右)は激しい地区優勝争いを繰り広げるライバルに分かれて戦うことになった。(C)Getty Images

 これまでにも数々の劇的な移籍劇が起きていたメジャーリーグの"デッドライン・トレード史"に新たな一章が加わった。

 8月1日(現地)、メッツはマイナー若手有望株2人との交換で、サイ・ヤング賞3度の実績を誇り、つい先日メジャー通算250勝を達成したばかりのジャスティン・バーランダーをアストロズへ放出した。

 実はその2日前、メッツは同じくサイ・ヤング賞3度の大投手マックス・シャーザーをレンジャーズへ放出している。

 つまり、つい最近までチームメイトとしてワールドチャンピオンを目指していた大投手2人が、今度はア・リーグ西地区で熾烈な首位争いを繰り広げるライバルチームに分かれて戦うことになったのだ。

 元々、バーランダーとシャーザーはタイガースでチームメイトだった仲。バーランダーはそこからアストロズ、シャーザーはナショナルズ、ドジャースとチームを変えながらお互いに実績を積み上げ、ともに引退後の殿堂入りは確実と言われるほどの大投手に成長した。
 21年オフ、シャーザーは3年1億3000万ドルでメッツに入団。そして昨オフ、今度はバーランダーが2年8666.6万ドルでメッツに加わる。8年ぶりに邂逅した2人は"超銀河系軍団"メッツの象徴的存在となった。千賀滉大はメッツ入りを決めた要員の一つして2人の存在を挙げた。また、2人が揃って史上最高年俸(4333.3万ドル)を手にしていることも話題を集めた。

 だが、周囲の期待とは裏腹にメッツは開幕から低空飛行を続け、42勝48敗の借金6で前半戦を折り返し。その後も浮上のきかけをつかめず、主力選手の放出に方針転換した。

 シャーザーが放出された直後、バーランダーはこんな風に言っていた。「言うまでもなく、マックスは来年もチームに不可欠な人材だったはずだ。(その彼がトレードされて)来年のチームがどうなるのか考えざるを得ない」。そして2日後、彼はトレード拒否条項を行使することなくアストロズへの移籍を受け入れた。

 これで2人は、今度はライバルとして対峙することになる。
まさに「昨日の友は今日の敵」。レンジャーズとアストロズは9月4日~6日に直接対決が組まれており、もちろんプレーオフで対決する可能性も十分ある。

 シーズン山場の9月、あるいは10月の大舞台でバーランダーとシャーザーが投げ合うことになったら......今度はポストシーズンの激闘史にも新たな1ページが書き加えられることになるだろう。

構成●SLUGGER編集部
 
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