大会第7日で49の代表校すべてが出揃った。大トリで登場した九州国際大付で注目を集めたのが佐倉侠史郎だ。1年秋から4番に座り、その年の明治神宮大会では佐々木麟太郎(花巻東)、真鍋慧(広陵)と揃ってホームランを放つなど、超高校級スラッガーとして早くから評判となった。
甲子園にも過去2回出場。昨年春のセンバツでは3試合で4安打を放ち、チームのベスト8進出に貢献している。新チームからは主将も任され、この夏の福岡大会でもチームトップの10安打、打率.435をマークし、チームを2年連続となる夏の甲子園出場に導いた。
迎えた土浦日大戦、佐倉は4番・ファーストで出場したがまず成長を見せたのは最大の持ち味である打撃以外の部分だった。体重は110kgと巨漢の部類に入るが、下級生の頃と比べると明らかに身体が引き締まったように見え、肥満という印象はまったく感じられない。ファーストの守備の動きも良くなり、ノックから安定したプレーを見せた。守備力に関しては並び評されることが多い佐々木、真鍋と比べても確実に上と言える。
注目されたバッティングでも、もちろん存在感を示した。4打数シングルヒット1本に終わり、チームも相手の3人の投手の前に0点に抑え込まれて敗れたものの、そのスウィングスピードは明らかに他の打者とはレベルが異なっていた。第1打席は144キロのストレートに少し差し込まれたレフトフライだったが、一歩間違えれば長打という当たりで、また第2打席のセカンドライナーもチェンジアップに対応してしっかり芯で捉えたものだった。
最終回に先頭打者で迎えた第4打席では高めの速いボールを振り抜いてセンター前に鋭く運んでいる。以前は重心を極端に低くして構え、無駄な動きが大きかったものの、現在は自然体の構えで振り出しもスムーズになっている。だからといってバッティングが小さくなった印象は感じられない。パワーを残したまま、上手く技術面でレベルアップしたことは間違いないだろう。
もう一つ目立っていたのがキャプテンシーだ。先発投手の田端竜也が2年生ということもあるが、盛んに守備位置から声をかける姿が見られ、チーム全体を鼓舞する姿勢を見せ続けていた。最終回に出塁した後もベース上から盛んに声を出しており、自身のバット以外でも打線を牽引しているように見えた。
キャプテンだから当然と思うかもしれないが、プレー以外にそういった動きが印象に残る選手は決して多くはない。こういう姿勢をプロのスカウトは意外と見ているもので、その点もプラスと言えるだろう。
3度目の甲子園はわずか1試合、1安打と結果としては芳しくなかったかもしれないが、十分な成長を感じられるプレーぶりだった。貴重な強打者タイプの選手だけに、10月のドラフト会議でも注目の一人となる可能性は高いだろう。
構成●SLUGGER編集部
甲子園にも過去2回出場。昨年春のセンバツでは3試合で4安打を放ち、チームのベスト8進出に貢献している。新チームからは主将も任され、この夏の福岡大会でもチームトップの10安打、打率.435をマークし、チームを2年連続となる夏の甲子園出場に導いた。
迎えた土浦日大戦、佐倉は4番・ファーストで出場したがまず成長を見せたのは最大の持ち味である打撃以外の部分だった。体重は110kgと巨漢の部類に入るが、下級生の頃と比べると明らかに身体が引き締まったように見え、肥満という印象はまったく感じられない。ファーストの守備の動きも良くなり、ノックから安定したプレーを見せた。守備力に関しては並び評されることが多い佐々木、真鍋と比べても確実に上と言える。
注目されたバッティングでも、もちろん存在感を示した。4打数シングルヒット1本に終わり、チームも相手の3人の投手の前に0点に抑え込まれて敗れたものの、そのスウィングスピードは明らかに他の打者とはレベルが異なっていた。第1打席は144キロのストレートに少し差し込まれたレフトフライだったが、一歩間違えれば長打という当たりで、また第2打席のセカンドライナーもチェンジアップに対応してしっかり芯で捉えたものだった。
最終回に先頭打者で迎えた第4打席では高めの速いボールを振り抜いてセンター前に鋭く運んでいる。以前は重心を極端に低くして構え、無駄な動きが大きかったものの、現在は自然体の構えで振り出しもスムーズになっている。だからといってバッティングが小さくなった印象は感じられない。パワーを残したまま、上手く技術面でレベルアップしたことは間違いないだろう。
もう一つ目立っていたのがキャプテンシーだ。先発投手の田端竜也が2年生ということもあるが、盛んに守備位置から声をかける姿が見られ、チーム全体を鼓舞する姿勢を見せ続けていた。最終回に出塁した後もベース上から盛んに声を出しており、自身のバット以外でも打線を牽引しているように見えた。
キャプテンだから当然と思うかもしれないが、プレー以外にそういった動きが印象に残る選手は決して多くはない。こういう姿勢をプロのスカウトは意外と見ているもので、その点もプラスと言えるだろう。
3度目の甲子園はわずか1試合、1安打と結果としては芳しくなかったかもしれないが、十分な成長を感じられるプレーぶりだった。貴重な強打者タイプの選手だけに、10月のドラフト会議でも注目の一人となる可能性は高いだろう。
構成●SLUGGER編集部
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