昨オフ、初の試みとして行われた現役選手ドラフト。新天地で巣立った12人の選手たちはどのようなシーズンを過ごしているのだろうか? 通信簿形式でここまでの働きぶりを評価する。今回はセ・リーグ編だ。
※通信簿は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階
※成績は8月23日時点
■大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)
評価:よくできました
技巧派サウスポーが新天地で息を吹き返し、現役ドラフト導入の意義を示している。ソフトバンクでは育成契約から支配下をつかみ取り、一時は先発ローテーションも担ったが、昨季までの3年間は7登板のみと居場所を失っていた。だが、同じ左腕で早稲田大の先輩である和田毅の助言で体幹を鍛え、平均球速が5キロ近くアップ。今季は全試合で2四球以下と持ち前の制球力も冴え、チーム最多の8勝、防御率1.96と大活躍している。7月下旬に体調不良で戦列を離れたが、8月23日に復帰。最優秀防御率、最高勝率のタイトル獲得の可能性も残し、今後の投球にも注目が集まる。
■細川成也(DeNA→中日)
評価:よくできました
球団待望の和製大砲が自慢のパワーを完全開花させている。DeNA時代の6年間はファームで73本塁打を放ったが、粗さが災いして一軍では6本のみにとどまった。ところが、移籍して迎えた今季は和田一浩打撃コーチに師事して確実性が向上。4月、5月は2ヵ月連続で月間打率3割以上と、別人のようなアプローチを見せると、徐々に自慢のパワーを発揮し始める。広い本拠地バンテリンドームも物ともせずにあらゆる方向へ柵越えを放ち、17本塁打と66打点はいずれもリーグ4位だ。8月4日には自己最多の1試合6打点で25歳の誕生日を自ら祝い、低迷するチームの希望の光になっている。
■笠原祥太郎(中日→DeNA)
評価:可もなく不可もなく
2019年に開幕マウンドを託された左腕も、過去3年は故障もあって8登板のみ。移籍により心機一転で臨んだ今季は、オープン戦からアピールに成功して開幕ローテーション入りしたが、ここまで2先発のみ。いずれも阪神打線相手に3回3失点で黒星を喫した。二軍では主に先発として56.2回で防御率2.86と試合を作っているが、左腕が充実している先発陣でなかなかチャンスをつかめない状態。入れ替わりでDeNAから中日へ移った細川成也が大活躍している中、今はひたすら我慢の時か。 ■成田翔(ロッテ→ヤクルト)
評価:がんばりましょう
ブルペンに手薄な変則左腕として加入したが、一軍では4月に3登板したのみ。昨季はイースタン最多の46登板で防御率2.27と結果を残していた二軍でも、今季は28登板で防御率6.00と打ち込まれている。現在はツーシームを減らしてカットボールとチェンジアップの投球割合が増えるなど、モデルチェンジに挑戦中。そのイメージは、同じく小柄な左の技巧派で、高校時代から参考にしていた石川雅規に近い。一軍で戦力になるまでは、試行錯誤の日々が続きそうだ。
■戸根千明(広島)
評価:がんばりましょう
巨人での実働7年で158登板の経験を生かせていない。4年ぶりに開幕一軍入りを果たし、ここまで24試合に登板しているものの、肝心の対左打者に被打率.317と苦戦続き。8月6日には1イニングで4四球を与えるなど、与四球率6.75と制球難は課題のままだ。元々、シーズンごとに波が大きいタイプだったが、過去2年と同様に防御率4.50以上では計算が立たない。野手にも挑戦した2020年に「プライドは消えた」と語った覚悟を、マウンドで見せられるか。
■オコエ瑠偉(巨人)
評価:可もなく不可もなく
甲子園を沸かせた当時を彷彿させる躍動感は、春の椿事だったのか。開幕戦にリードオフマンとしてスタメンに抜擢されると、4月9日の広島戦では移籍後初本塁打を先頭打者弾で放つなど話題を提供し、楽天時代の停滞を一気にかき消すかのように勢いづいた。ところが長続きせず、5月以降はファーム落ちもあってわずか7安打のみ。実績あるベテランでひしめく外野陣では秋広優人も台頭していて、早くも厳しい立場に立たされている。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
※通信簿は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階
※成績は8月23日時点
■大竹耕太郎(ソフトバンク→阪神)
評価:よくできました
技巧派サウスポーが新天地で息を吹き返し、現役ドラフト導入の意義を示している。ソフトバンクでは育成契約から支配下をつかみ取り、一時は先発ローテーションも担ったが、昨季までの3年間は7登板のみと居場所を失っていた。だが、同じ左腕で早稲田大の先輩である和田毅の助言で体幹を鍛え、平均球速が5キロ近くアップ。今季は全試合で2四球以下と持ち前の制球力も冴え、チーム最多の8勝、防御率1.96と大活躍している。7月下旬に体調不良で戦列を離れたが、8月23日に復帰。最優秀防御率、最高勝率のタイトル獲得の可能性も残し、今後の投球にも注目が集まる。
■細川成也(DeNA→中日)
評価:よくできました
球団待望の和製大砲が自慢のパワーを完全開花させている。DeNA時代の6年間はファームで73本塁打を放ったが、粗さが災いして一軍では6本のみにとどまった。ところが、移籍して迎えた今季は和田一浩打撃コーチに師事して確実性が向上。4月、5月は2ヵ月連続で月間打率3割以上と、別人のようなアプローチを見せると、徐々に自慢のパワーを発揮し始める。広い本拠地バンテリンドームも物ともせずにあらゆる方向へ柵越えを放ち、17本塁打と66打点はいずれもリーグ4位だ。8月4日には自己最多の1試合6打点で25歳の誕生日を自ら祝い、低迷するチームの希望の光になっている。
■笠原祥太郎(中日→DeNA)
評価:可もなく不可もなく
2019年に開幕マウンドを託された左腕も、過去3年は故障もあって8登板のみ。移籍により心機一転で臨んだ今季は、オープン戦からアピールに成功して開幕ローテーション入りしたが、ここまで2先発のみ。いずれも阪神打線相手に3回3失点で黒星を喫した。二軍では主に先発として56.2回で防御率2.86と試合を作っているが、左腕が充実している先発陣でなかなかチャンスをつかめない状態。入れ替わりでDeNAから中日へ移った細川成也が大活躍している中、今はひたすら我慢の時か。 ■成田翔(ロッテ→ヤクルト)
評価:がんばりましょう
ブルペンに手薄な変則左腕として加入したが、一軍では4月に3登板したのみ。昨季はイースタン最多の46登板で防御率2.27と結果を残していた二軍でも、今季は28登板で防御率6.00と打ち込まれている。現在はツーシームを減らしてカットボールとチェンジアップの投球割合が増えるなど、モデルチェンジに挑戦中。そのイメージは、同じく小柄な左の技巧派で、高校時代から参考にしていた石川雅規に近い。一軍で戦力になるまでは、試行錯誤の日々が続きそうだ。
■戸根千明(広島)
評価:がんばりましょう
巨人での実働7年で158登板の経験を生かせていない。4年ぶりに開幕一軍入りを果たし、ここまで24試合に登板しているものの、肝心の対左打者に被打率.317と苦戦続き。8月6日には1イニングで4四球を与えるなど、与四球率6.75と制球難は課題のままだ。元々、シーズンごとに波が大きいタイプだったが、過去2年と同様に防御率4.50以上では計算が立たない。野手にも挑戦した2020年に「プライドは消えた」と語った覚悟を、マウンドで見せられるか。
■オコエ瑠偉(巨人)
評価:可もなく不可もなく
甲子園を沸かせた当時を彷彿させる躍動感は、春の椿事だったのか。開幕戦にリードオフマンとしてスタメンに抜擢されると、4月9日の広島戦では移籍後初本塁打を先頭打者弾で放つなど話題を提供し、楽天時代の停滞を一気にかき消すかのように勢いづいた。ところが長続きせず、5月以降はファーム落ちもあってわずか7安打のみ。実績あるベテランでひしめく外野陣では秋広優人も台頭していて、早くも厳しい立場に立たされている。
文●藤原彬
著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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