ドラフト会議まであと約１ヵ月となり、各球団の動向が注目される時期となった。今年は大学生の投手と高校生のスラッガーに上位候補が多いと言われているが、果たして狙うべき選手は誰なのか。各球団の現状から探ってみたいと思う。今回はセ・リーグの６球団だ。

【2023ドラフト候補ランキング｜１～10位】東洋大・細野らライバルがさらに成長。花巻東・佐々木は１位を守れたのか＜SLUGGER＞

【阪神】
佐々木麟太郎（花巻東高）
進藤勇也（上武大）

　18年ぶりのリーグ優勝を達成した阪神。近年、獲得した選手の多くが主力となり、また二軍でも楽しみな若手が多く、ドラフト戦略の成功によるところが大きい。投手も野手も充実した戦力を誇るだけに、即戦力というよりも、スケールの大きい選手を積極的に獲得したい。

　まず狙うべきは大山悠輔の後釜になりそうなスラッガーだが、そうなるとやはり佐々木麟太郎（花巻東高）、真鍋慧（広陵高）、明瀬諒介（鹿児島城西高）が候補となる。３人とも一塁手だが、真鍋は脚力、明瀬は抜群の強肩があるためコンバートも視野に入れられるというのもプラス要因だ。 　もう一つ気になるのが捕手だ。梅野隆太郎が大きく成績を落とし、坂本誠志郎も今年で30歳を迎えている。下位指名で高校生を獲得しているが、将来のレギュラーを狙うなら上位の枠を使うことも検討したい。ウェーバー順が遅いため２位で残っているかは微妙だが大学ナンバーワン捕手の進藤勇也（上武大）か、同じく打力もある萩原義輝（流通経済大）を３位で狙うのも面白いだろう。

【広島】
前田悠伍（大阪桐蔭高）
明瀬諒介（鹿児島城西高）

　新井貴浩新監督を迎えて浮上した広島だが、全体的に主力の高齢化が進み、しばらく安泰と思われるのは捕手くらいと、あらゆるポジションに不安要素が多い。特に佐々岡真司監督時代は上位で大学生、社会人を多く指名してきただけに、昨年に続いて投手も野手も長くチームの中心になれる高校生を狙いたいところだ。投手であれば前田悠伍（大阪桐蔭高）、東松快征（享栄高）、木村優人（霞ヶ浦高）、坂井陽翔（滝川二高）が候補となる。特に左投手は玉村昇悟くらいしか若手の先発候補がいないだけに、前田、東松のどちらかはぜひ狙いたい。

　野手で気になるのが右打者だ。末包昇大が今年は成長を見せたが、すでに27歳と中堅であり、その下の年代の強打者タイプはルーキーの内田湘大くらいしか見当たらない。また菊池涼介の後釜となる二遊間も候補が欲しい。強打者タイプなら明瀬諒介（鹿児島城西高）か大学生になるが、東京六大学でホームランを量産している広瀬隆太（慶応大）、二遊間ならパンチ力と総力を備えた百崎蒼生（東海大熊本星翔高）が候補となりそうだ。