専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
MLB

【山本萩子のMLBプレーオフ至上主義!│後編】10月の大舞台で輝いてこそ真のスーパースター。今年の注目選手は?<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.10.03

日本人が誰も出ていない19年の地区シリーズでの好プレーを持ち出すあたり、やはり只者ではない。写真:滝川敏之

日本人が誰も出ていない19年の地区シリーズでの好プレーを持ち出すあたり、やはり只者ではない。写真:滝川敏之

 いよいよ現地10月3日(日本時間4日)からMLBのプレーオフがスタートする。ワールドチャンピオンの座を賭けたシーズン総決算の戦い。『ワースポxMLB』のキャスターを務め、その豊富な知識で業界内をどよめかせている(?)山本萩子さんが「MLBのプレーオフならではの魅力」を語ってくれた(聞き手:久保田市郎/SLUGGER編集長)。
※SLUGGER 2023年11月号の記事を再構成

【山本萩子のMLBプレーオフ至上主義!│前編】球場の盛り上がり、選手の表情、起用法...何もかもいつもと違う独特の魅力<SLUGGER>

山本萩子 MLBのプレーオフと言えば、あとはファインプレー! 信じられないプレーが生まれますよね。私にとって印象深いのは、(2019年の)レイズ対アストロズの地区シリーズで、ケビン・キアマイアーとウィリー・アダメスの中継プレーがすごかったです。

――あれはすごかった! 中継プレーに一切の無駄がなかったですよね。

 しかもホームで刺したのが元盗塁王のホゼ・アルトゥーベ。キアマイアーのノーステップ送球の速さ、アダメスの捕ってからの速さ。今でも覚えています。
 
 20年には、ドジャースのコディ・ベリンジャーがホームランをもぎ取って、ムーキー・ベッツもリーグ優勝決定シリーズでファインプレーを連発して。こういう、スーパースターの活躍もプレーオフならではですよね。

――そうなんですよ。これは”プレーオフ至上主義”すぎるかもしれませんが、どんなにすごい選手でも、やっぱりプレーオフで輝いて初めて「本当のスーパースター」になるんだと僕は思っています。その意味では、大谷翔平(エンジェルス)もまだ画竜点睛を欠くというか。もちろんそれは大谷自身のの責任ではないんですが。

 分かります。私も“プレーオフ至上主義者”なので。スーパースターたるもの、あの場で輝いてこそだから。確かにWBCでも優勝しましたけど、プレーオフで初めて見る大谷選手の顔もあるはずですよね。

――それこそ、19年のプレーオフで大活躍した時のスティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)もそうだったわけじゃないですか。

 間違いないです。やっぱりあの場で輝いたからこそ、”燃え尽きた漢”ストラスバーグになった。かっこ良すぎますよ。
――その後の7年契約ではほとんど働けなかったのは残念ですけど、彼のおかげで創設以来初のワールドチャンピオンになったわけですから、ナショナルズのファンはきっと……。

 みんなストラスバーグのこと好きだと思う。やっぱり人気があるじゃないですか。美談にしていいのかはまた別の話ですけど、チームにリングをもたらしたから、ファンにとっては永遠にスターなんですよね。

――ではここで、今年のプレーオフで注目している選手を教えてください。

 今年、オールスターへ取材に行って大好きになった選手がいるんですよ。アドリー・ラッチマン(オリオールズ)。もう熱すぎるな、と思って。まず、アマチュア時代からスター街道じゃないですか。大学時代も満塁で敬遠された伝説を作って、鳴り物入りで全体1位で入って、もうスターへの道を歩んでいる。

「ザ・王道」という感じの選手ですけど、実際に会って話したら、すごく謙虚で真面目なのがもちろん伝わってくるんですけど、それだけではなくて。「チームにいい空気を流れさせるのが自分の仕事だと思ってる」って話をしてたんですね。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号