ぶつけようのない憤りの声が溢れ返っている。

　11月２日、甲子園球場で行なわれた「SMBC日本シリーズ第５戦」は本拠地の大声援を背に２点ビハインドだった阪神が８回に打線が爆発し、逆転に成功。オリックスを６対２で撃破し、通算成績を３勝２敗でリードし、38年ぶりの日本一に王手をかけた。

　日本一の美酒まで、あと１勝。否が応でも盛り上がる阪神ファンに、さらなる朗報が球団公式ホームページで発表された。

　明日４日に行なわれる第６戦（京セラドーム大阪）を甲子園球場での無料パブリック・ビューイング（PV）開催が決定。観覧エリアは内野スタンドのみ（アルプス席、外野席は開放しない）で、３日午前10時からローソンチケットで入場券の申し込みが開始されたが、チケットはわずか15分足らずで即完売する大盛況だった。

　38年ぶりの歓喜が訪れるかもしれない重要な一戦。至極当然、ファンの間ではプラチナとされ、チケット争奪戦は必至に。入手困難は、ある程度予想されていた。

　だが、シリーズ開幕前に起きた決して見過ごせない「転売ヤー問題」が再び今回も浮上した。

　無料チケットの予定枚数販売終了直後、なんとインターネットのチケット通販サイトにPV入場チケットが掲載され始めたのだ。「０円」にもかかわらず１枚５万円、数十万円の高値でつける出品が多数見られた。心ない転売行為に、SNS上では野球ファンから怒りの声が飛び交っている。

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「せっかくの球団の好意を、ないがしろに」
「無料やろ。どんな神経してんねん」
「高額過ぎて誰の手にも届かなかった席が空席とか誰も幸せじゃない」
「転売ヤーは人の心あるんか！」
「秒速で転売…言語道断だぞ！」
「転売した奴らは一生野球と関わるな」

　常識外れな金額をつける転売行為は、確かに悪質極まりない。しかし、この問題は今に始まったことではない。何かしらの防止策は講じられなかったのか。この点を鋭く指摘する声も寄せられ、「初めから転売対策とるべきだろ」「電子チケットにしたら良かったのに」「ずっと前からの課題なのに何もしないのはなぜー？」「主催者サイドから、転売サイトと転売チケット売ってる人を訴えることできんのかね」など、具体的な対策を示さなかった球団側を批判する意見も見受けられた。

　主催の阪神球団はホームページで「主催者の同意なく第三者へ有償譲渡することは禁止します」と明記しているが、転売行為を発見したり犯した場合の処罰記載はない。

　野球以外のスポーツイベント、またはアイドルや歌手のコンサートなどにも見受けられる「転売ヤー」問題。根本的な解決策は、いまだ見つかっていない。

構成●THE DIGEST編集部

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