オリックスの2勝3敗で迎えた阪神との日本シリーズ第6戦が11月4日、京セラドーム大阪で行われた。
敗れれば終戦、後がないオリックスは、エース山本由伸を初戦に続いて2度目の先発に立てた。この時は6回途中で自己ワーストタイとなる7失点と大乱調で敗戦してしまった。レギュラーシーズンでは史上初の3年連続投手四冠を達成している山本だが、日本シリーズではまだ勝ち星がなかった。今オフにはポスティングでのメジャー移籍が濃厚とされているだけに、球界を代表するエースとして、ラストチャンスになるかもしれない今年こそは勝ち星を挙げたいところだった。
中嶋聡監督は「前回やられましたけども。山本由伸が2回連続でやられるわけがないと思って、 信頼して出しました」とチームをリーグ3連覇に導いたエースを信じて送り出した。山本も「調子もしっかり上げてこれてたんで、まあみんなは心配してるだろうなと思いながらマウンドに上がりました」と苦笑い。この日も2回にノイジーに先制ソロを浴びるなど、序盤から制球に苦しむ場面も見られたが、試合が進むに連れてギアを上げていく。
前回登板との違いとして、指揮官は「テクニック的なもの」を挙げ、「試行錯誤しながらずっとやってますんでね。どれがベストかどれが最適のところかっていうのを、非常に経験しているピッチャーですので。それがピタリとハマった」と山本の投球を分析。山本本人も先制を許したあとは「しっかり落ち着いて投げれましたし、4回か5回ぐらいからすごく調子が取り戻せたんで、もうそこからは思い切っていくだけでした」と投げながら修正ができたことを明らかにしている。「変化球もすごいいいボールが多かった。もともと、そこまで意外とまっすぐ多いわけでもないんで。1試合通してバランスが取れたかなと思います」と本人も話した通り、この日は変化球を効果的に使っていた印象が強い。
「やっぱり(自分が)2敗してしまうと、ほんとにもう負けになってしまいますし、今日とか特にもう(優勝が)決まる試合だったんで、2敗目はつかないように集中してました」とエースとしての気持ちを強く押し出した登板に。「これでタイになりましたし、明日に繋げたんで、明日はなんとか勝って、いい締めくくりにしたいですね」と第7戦につなげたことに安堵の表情を浮かべていた。
138球を費やしての完投は、中嶋監督いわく「もう本当に8回の時から、もうリミットないよっていうのを伝えて、本人も『分かりました、行きます』っていう話だった」と実現したもの。監督の中では「球数がいっても由伸にかける」という気持ちが試合前からあったようだ。その結果、山本は日本シリーズ記録の14奪三振を達成という新たな勲章までついてきた。
「明日勝って中嶋監督を日本一の監督にしましょう!」
エース山本が中嶋監督と一緒に築いてきた3年間。これを最高の形で終えるという意味でも大きな完投勝利だったと言えるだろう。
取材・文⚫︎THE DIGEST編集部
敗れれば終戦、後がないオリックスは、エース山本由伸を初戦に続いて2度目の先発に立てた。この時は6回途中で自己ワーストタイとなる7失点と大乱調で敗戦してしまった。レギュラーシーズンでは史上初の3年連続投手四冠を達成している山本だが、日本シリーズではまだ勝ち星がなかった。今オフにはポスティングでのメジャー移籍が濃厚とされているだけに、球界を代表するエースとして、ラストチャンスになるかもしれない今年こそは勝ち星を挙げたいところだった。
中嶋聡監督は「前回やられましたけども。山本由伸が2回連続でやられるわけがないと思って、 信頼して出しました」とチームをリーグ3連覇に導いたエースを信じて送り出した。山本も「調子もしっかり上げてこれてたんで、まあみんなは心配してるだろうなと思いながらマウンドに上がりました」と苦笑い。この日も2回にノイジーに先制ソロを浴びるなど、序盤から制球に苦しむ場面も見られたが、試合が進むに連れてギアを上げていく。
前回登板との違いとして、指揮官は「テクニック的なもの」を挙げ、「試行錯誤しながらずっとやってますんでね。どれがベストかどれが最適のところかっていうのを、非常に経験しているピッチャーですので。それがピタリとハマった」と山本の投球を分析。山本本人も先制を許したあとは「しっかり落ち着いて投げれましたし、4回か5回ぐらいからすごく調子が取り戻せたんで、もうそこからは思い切っていくだけでした」と投げながら修正ができたことを明らかにしている。「変化球もすごいいいボールが多かった。もともと、そこまで意外とまっすぐ多いわけでもないんで。1試合通してバランスが取れたかなと思います」と本人も話した通り、この日は変化球を効果的に使っていた印象が強い。
「やっぱり(自分が)2敗してしまうと、ほんとにもう負けになってしまいますし、今日とか特にもう(優勝が)決まる試合だったんで、2敗目はつかないように集中してました」とエースとしての気持ちを強く押し出した登板に。「これでタイになりましたし、明日に繋げたんで、明日はなんとか勝って、いい締めくくりにしたいですね」と第7戦につなげたことに安堵の表情を浮かべていた。
138球を費やしての完投は、中嶋監督いわく「もう本当に8回の時から、もうリミットないよっていうのを伝えて、本人も『分かりました、行きます』っていう話だった」と実現したもの。監督の中では「球数がいっても由伸にかける」という気持ちが試合前からあったようだ。その結果、山本は日本シリーズ記録の14奪三振を達成という新たな勲章までついてきた。
「明日勝って中嶋監督を日本一の監督にしましょう!」
エース山本が中嶋監督と一緒に築いてきた3年間。これを最高の形で終えるという意味でも大きな完投勝利だったと言えるだろう。
取材・文⚫︎THE DIGEST編集部
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