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プロ野球

「もしかしたら最後のマウンドになる」高橋純平、高山俊、吉田凌…かつて一軍で輝いた戦士たち。トライアウトに臨んだ彼らの胸中とは?

萩原孝弘

2023.11.16

トライアウトに臨んだ高橋、高山、吉田。かつて一軍で輝きを放った男たちが再起をかけて挑んだ。写真:THE DIGEST写真部

トライアウトに臨んだ高橋、高山、吉田。かつて一軍で輝きを放った男たちが再起をかけて挑んだ。写真:THE DIGEST写真部

 非情宣告を受けた男たちがアピールする場「NPB12球団合同トライアウト」。その中にはかつて一軍の輝く舞台で活躍した戦士たちも含まれていた。

【参加選手一覧】プロ野球12球団トライアウトに巨人・太田、阪神・高山、SB・高橋純ら58選手
☆3球団競合の右腕

 県岐阜商高から15年のドラフト1位でソフトバンク入りした高橋純平もそのひとり。3球団競合の注目株で、17年には1軍デビュー。19年には45試合登板と頭角を表し、チームの日本一に貢献した。しかしその後は登板機会が激減し、22年以降には1軍登板ゼロとなっていた。

 6番手として出番の回ってきた高橋は、先頭の園部にレフト前に運ばれたが、続く西川からは変化球で空振り三振に打ち取る。しかし最後は元同僚の早真之介に死球を与えて役目を終えた。

 登板後は「もしかしたら最後のマウンドになるという気持ちで来ました」と並々ならぬ決意で挑んだと告白した。「全球種、真っ直ぐ、カット、スライダー、フォークをしっかり腕を振ってちゃんと投げられるというところを見せようと思って練習してきました。その点では良かったです」と笑顔。特に「フォークは元々投げていた130キロ140キロ台のボールから、150キロ近くなった。そこまで磨くことができたので絶対的な自信はありますね」と目を輝かせた。

☆虎の安打製造機

 日大三高から明治大学と名門を渡り歩き、15年ドラフト1位で阪神に入団。ルーキーイヤーから134試合出場、打率.275、8本塁打、65打点でそのまま新人王を獲得した髙山俊もトライアウトを受験。

 この日は第1打席でインコースのストレートを振り抜き、右中間を破るツーベースヒットを放つと、第3打席でもライト前にクリーンヒットで出塁。すかさず盗塁も成功させるなど躍動した。トータル5打席で二塁打を含む2安打2四球1盗塁と結果を残した。

 受験後は「対戦のない、知らないピッチャーと対戦するので、相手どうこうよりも自分の持っているものを出そうと思って臨んだ。その点は良かったと思います」と自己評価。この日は「失うものもないし、いまさら緊張することもない。まずは泥臭くしがみつく姿だったり、結果にこだわりすぎるより、いま自分が持っている力を出そうと思っていました」と自然体で挑んだことが結果に繋がったと振り返った。

 最後に「小さい頃からプロ野球選手を目指して野球をやっていて、いったん戦力外という形になりましたけどやりたいと思います」と言葉に力を込めていた。
 
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