プロ野球

「これで満足したらそこで僕も終わってしまう」――名球会入りの平野佳寿が目指すさらなる高み【オリ熱コラム2023】

どら増田

2023.11.27

通算284勝の阪急時代の大エース、山田(写真左)から名球会のブレザーを授与される平野(右)。今季も29セーブを挙げ、史上3人目の日米通算300セーブも夢ではない。写真:野口航志

 今年10月2日の日本ハム戦で日米通算250セーブを達成したオリックスの守護神、平野佳寿。11月26日に京セラドーム大阪で開催された『Bsファンフェスタ2023』の中では平野の「名球会入会セレモニー」が行われ、球団の大先輩、山田久志から名球会のブレザーが贈呈されて袖を通した。

 ファンフェスタでも大いにイベントを盛り上げるなど、39歳のベテランになっても存在感はまだまだ健在の平野。「(名球会のブレザーは)サイズもちょうどやったらよかったです」と笑顔を浮かべつつも、「すごい光栄なことですし。それに恥じないように、これからも努力もしていかなきゃいけないなと思いますし。またここからも頑張っていきたいと思います」と、名球会入りを通過点にすることを強調した。
 
「これで満足したらそこで僕も終わってしまうんで、そこからまた一つずつ目標を見つけてやっていきたい」とさらなる高みを目指すことを誓う平野。今季は守護神の座を一時山崎颯一郎や阿部翔太に譲る場面もあったが、「若い選手には刺激というよりも、負けてられないという気持ちがある」と、まだまだ高き壁になることを宣言している。

 ドラフト同期の岸田護や、1歳上の金子千尋らがすでに引退した中で、平野はメジャーでの経験も活かしながら、今季も防御率1.13、29セーブというベテランの域を超えた成績を収めている。ストレートの球速や、生命線であるフォークのキレにも衰えはない。山崎颯、阿部、宇田川優希ら若いブルペン陣にとっても、まだ平野から学べることがたくさんあるだけに、40歳を迎える来季も最前線で腕を振り続けるベテランの存在は大きい。

取材・文⚫︎どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の"神童"対談を実現させたことも。