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プロ野球

OPSは独走&得点圏打率、外野補殺もトップ――FA移籍1年目で躍動した近藤健介【リーグ1位の男たち:パ・リーグ野手編】<SLUGGER>

藤原彬

2023.11.29

近藤は大型FA移籍1年目で本塁打と打点、そしてOPSでリーグ1位と大活躍した。写真:THE DIGEST写真部

近藤は大型FA移籍1年目で本塁打と打点、そしてOPSでリーグ1位と大活躍した。写真:THE DIGEST写真部

 個人タイトルの対象ではなくとも、プロの凄みが詰まった今季の部門ベスト3を紹介する。今回はパ・リーグの野手編だ。(※率系部門は規定打席到達者22人が対象)

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■OPS(出塁率+長打率)
1.近藤健介(ソフトバンク) .959
2.森友哉(オリックス) .893
3.頓宮裕真(オリックス) .862

 打撃三冠に迫った近藤が総合的な打撃指標OPSでリーグダントツ数字を残した。出塁率(.431)は3度目、長打率(.528)で初の1位に立ち、自身初の本塁打王と打点王を手にした。新天地へ移った森と首位打者に輝いた頓宮は、出塁率と長打率の順位がいずれもOPSと同じ2、3位。4位の柳田悠岐(ソフトバンク)も同様で、優れた打者たちがし烈な打撃タイトル争いを展開した。

■四球率(四球÷打席)
1.近藤健介(ソフトバンク) 17.8%
2.浅村栄斗(楽天) 12.5%
3.森友哉(オリックス) 11.9%

 リーグ最多の109四球を選んだ近藤は全打席での割合もトップで、7敬遠も誰よりも多かった。2位に入った浅村だが、楽天へ移籍した2019年以降では最も低い数値で、どちらかと言えば今季は2度目の本塁打王を獲得したパワーが目立った。規定打席未到達者では佐藤龍世(西武)が16.3%、柳町達(ソフトバンク)は15.5%と、2位相当の高水準。ちなみにリーグワーストは今宮健太(ソフトバンク)の5.6%。
■三振率(三振÷打席)
1.中村晃(ソフトバンク) 9.1%
2.松本剛(日本ハム) 10.2%
3.宗佑磨(オリックス) 11.5%

 6年ぶりに1位へ返り咲いた中村は、2ストライクカウントでも打率.257の粘り強さ。松本は首位打者を獲得した昨季と同じ2位で、有走者時の三振率6.5%はリーグベスト。ただし、追い込まれてからは三振が増えて、全体的には成績を落とした。規定打席未満では、荻野貴司(ロッテ)が7.9%と優れた数値をマークして前年に続く“隠れ首位”に。

■BB/K(四球÷三振)
1.中村晃(ソフトバンク) 1.13
2.近藤健介(ソフトバンク) 0.93
3.森友哉(オリックス) 0.89

 BB/Kで上位に来るのは 選球眼とバットコントロールを兼備した打者。中村は12球団の規定打席到達者で唯一、四球の数が三振を上回った。規定打席未満では、清宮幸太郎(日本ハム)が自己ベストの0.77を記録するなど、打撃アプローチが大きく向上した。対照的に、愛斗(西武)は267打席でわずか3四球しか選べず、BB/Kは0.05と悪い意味で異次元の数字だった。

■得点圏打率
1.近藤健介(ソフトバンク) .373
2.森友哉(オリックス) .363
3.マルティネス(日本ハム) .344

 チャンスでも滅法強かった近藤は、打点王を争った柳田悠岐(ソフトバンク)の得点圏打率.273を1割も上回り、タイトルを手中に収めた。森は特に三塁に走者を置いた場面で、わずか2三振と驚異的な集中力を発揮。マルティネスは得点圏に走者を置いた場面とそうでない時との打率の差が実に.098もあった。リーグワーストは野村佑希(日本ハム)の.192。
 
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