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二刀流起用の不透明性、DH占有による選手起用の硬直化...大谷翔平獲得の「リスク要因」をあえて考えてみる<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2023.11.30

FA史上最高額契約を得ることが確実視されている大谷だが、獲得に伴うデメリットがないわけではない。(C)Getty Images

FA史上最高額契約を得ることが確実視されている大谷だが、獲得に伴うデメリットがないわけではない。(C)Getty Images

 ドジャース、ジャイアンツ、カブス、レッドソックスなどが獲得に名乗りを上げ、新契約額は総額6億ドル以上にも上るとも言われている大谷翔平。

【関連記事】ガチガチの大本命ドジャースにもマイナス材料はある?大谷獲得候補チームの「○と×」【ナ・リーグ編】<SLUGGER>

 だが、その超大型契約にマイナス要因はないのだろうか? 今回は大谷と契約を結ぶことで生まれる「3つのリスク」についてあえて考えてみたい。

【超大型FA契約は失敗する可能性が高い】

 まず大前提として、大型FA契約は失敗する確率が高い。

 考えてみれば当たり前の話ではある。超大物とされるようなスーパースターは通常、30歳前後でFA市場に出て、10年以上の超長期契約を結ぶ。だが、野球選手の大半は25~29歳頃がピークで、30歳を過ぎたあたりから徐々に成績が下がっていく。つまり、大型契約を結ぶ時期と、選手としての能力が落ちていく時期が重なってしまっているのだ。

 過去を振り返っても、アルバート・プーホルスやロビンソン・カノーといった選手たちは巨額の報酬に見合う成績を残せず、不良債権と呼ばれた挙句、契約が満了する前に解雇された。ゲリット・コール(ヤンキース)のような成功例もあるが、全体として見れば、鳴り物入りで大型契約を結びながら期待を裏切った、というケースの方が圧倒的に多い。

 アストロズやブレーブスといった近年の“常勝球団”が揃って大型FA契約から背を向けているのも、決して偶然ではない。アストロズなどは「FA契約は最長でも5年まで」という独自の内規を設け、コールやカルロス・コレアの流出を許してきたが、それでも戦力を維持し続けている。
 大谷獲得の大本命に挙げられているドジャースも、球界屈指の資金力を誇りながら、実はこれまで超長期契約を巧妙に回避してきた。例外は21年にムーキー・ベッツと結んだ12年契約だが、当時のベッツはFA前で27歳と若かった。

 今回、本当に大谷と総額5億ドル規模の契約を結べば、それはチームの方針が転換することを意味する。

【二刀流起用についての不確定性】

 もう一つの不安材料は、大谷がそもそもいつまで二刀流を続けられるか不透明なだ。

 すでに2度目の右ヒジ手術を受け、2024年はマウンドに立てないことが決まっている。前回は18年9月に手術を受け、19年は全休。20年に復帰したが万全とは程遠い状態で、わずか2試合に登板しただけで終わった。そう考えると、25年からいきなりここ3年レベルの快投を披露できる可能性はそれほど高くない。26年に完全復活できたとしても、その年の7月には32歳となる。一線級の先発投手として活躍できる「タイムリミット」が迫る時期だ。

 そもそも、大谷の価値の源泉は「球界屈指のスラッガー」と「球界屈指の好投手」の二役を一人でこなしている点にある。どちらか一方だけになってしまうと、10年5億~6億ドルのメガディールは一気に超割高になってしまう。スポンサー契約や広告収入で賄えるといっても、総年俸が一定の額を超えるとぜいたく税の対象となり、ドラフト指名権喪失などのペナルティが科される。チーム構成上、大きな足枷になってしまうことに変わりはない。
 
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