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大谷翔平はドジャース移籍なら「自分の人生を歩むことができる」と米重鎮記者。「明るい光」「活躍する可能性が」と山本由伸や前田健太にも言及

THE DIGEST編集部

2023.12.04

はたして大谷はどの球団と契約するのだろうか。米メディアも大きな関心を寄せている。(C)Getty Images

 米紙『USA Today』の重鎮記者、ボブ・ナイチンゲール氏は12月3日の記事で、去就が注目されている大谷翔平の移籍先を「ロサンゼルス・ドジャース」と記した。最終決定のタイミングは「まだ最終決断の目処はたっていない。少しずつ前進はしているが、1週間はかかるだろう。クリスマス休暇の前であることは確かだ。どこかが突然10億ドルの小切手を切らない限り、オオタニはウインターミーティングで契約しない」と伝えている。

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 ナイチンゲール記者はテネシー州ナッシュビルで行なわれているMLBウインターミーティング(現地12月3日~6日まで)を取材中だ。「いたるところにクリスマスツリーが飾られ、リースも吊るされ、キャロルが響き、小さな国を照らすのに十分なほどの明るい光がある。しかし、2888室を擁する一大リゾートホテル『Gaylord Opryland Resort & Convention Center』の複合施設のどこを見ても、誰もが楽しみにしているアトラクションが見当たらない。ショウヘイ・オオタニがどこにもいないのだ。彼は来ない。代理人や通訳に会えるとも思えない」と現場の様子を伝えた。

 大谷を真剣に追っている球団を、「ドジャース、ロサンゼルス・エンジェルス、トロント・ブルージェイズ、シカゴ・カブス、サンフランシスコ・ジャイアンツ」としながら、「少なくとももう1つの球団――ミステリーチームと言われている――もファイナリストに残っている」と記載。すでに名前が挙がっているチーム以外の存在を示唆した。

 また、ナイチンゲール記者は移籍市場に臨む注目球団の状況も説明している。「ニューヨーク・ヤンキースは何かをしなければ、ブライアン・キャッシュマンGMを筆頭に何人かの首が飛ぶ。ヤンキースは移籍市場で派手に動かなければいけない。だからこそ、ヨシノブ・ヤマモト(山本由伸)の獲得に全力を費やし、フアン・ソトに注目している。そしてコディ・ベリンジャーの獲得も望んでいる。今冬は、CC・サバシア、マーク・テシェイラ、AJ・バーネットを計4億2450万ドルで獲得した2008年の冬(2009年にワールドシリーズ優勝)の続編として、行動する計画を持っている」と、ヤンキースの本気度を説明した。

 ドジャースについては、「2年前から今冬にFAになるオオタニを獲得する計画を持っていた。昨冬には誰にも1年以上の契約を与えず、ベリンジャーとジャスティン・ターナーを放出し、オオタニというブランドをどれだけ大切にしてるのか、世界に知らしめた。ドジャースはオオタニを欲しがっている。ヤマモトも欲しがっている。そしてディラン・シーズ(シカゴ・ホワイトソックス)も狙っている」と、いかに大谷に熱心になっているのかを表現している。

「彼らは疲れている。誰もお金を受け取ってくれないことに、当惑している」と書き出したのは、ジャイアンツの項目だ。「ジャンカルロ・スタントン、ブライス・ハーパー、アーロン・ジャッジ。その全員に断られた。ジャイアンツの23年の観客動員は17位にとどまり、球場23年の歴史のなかで最低の動員人数だった。ジャイアンツはチケットを売る必要がある」と、スター選手の獲得に躍起になっている背景を説明。その答えが「オオタニであり、ヤマモトであり、ベリンジャーになる可能性がある。そしてマット・チャップマンも答えになりうる」と綴った。
 
「オオタニを獲得したいと公言している」ブルージェイズは、「もし二刀流を獲れなかった場合、何か行動を起こさなければいけない。ブラディミール・ゲレーロJr.とボー・ビシェットがFAになるまであと2年。この2人がいる2年以内にワールドシリーズに辿り着かなければ、経営陣は別の仕事を探したほうがいいだろう」とした。

 カブスについては、「突如として最愛の監督(デビッド・ロス)を解雇したり、ライバル(ミルウォーキー・ブルワーズ)からクレイグ・カウンセル監督を盗んで記録的な年俸を支払ったり、屋上から"オオタニを獲れるのか、それともダメなのか"と叫んだり。そしてファンたちに、"オオタニを獲得できなかったけど、できることはした"と言い聞かせるのだ」と記してる。

 山本由伸に関しても触れており、「彼は明るい光だ。スター性も十分ある。移籍先はヤンキースかニューヨーク・メッツかドジャース。ヤンキースは今シーズン、ヤマモトが好きな番号の『18』を意図的に空けていた。彼らはどんな些細なことでもアドバンテージになり、役に立つことを知っている」と伝え、メッツの箇所では「皆がヤマモトに夢中だ。韓国人のイ・ジョンフにも興味を持っており、一方でフアン・ソトに関心はなく、ブレイク・スネルも考えていない」と報じた。

 またデトロイト・タイガースの項では、「来シーズンは期待できそうだ。タイガースはケンタ・マエダ(前田健太)と契約した。ア・リーグ中地区のレベルを考えれば、マエダはシーズンを通して活躍する可能性がある。タイガースの評判もいい。あるGMはタイガースが優勝しても驚かないし、彼らは有力候補だと語っていた」とし、前田の活躍やタイガースの躍進を示唆している。

「そして最後に、ショウヘイ・オオタニはどこに行くのだろうか」という項目をナイチンゲール記者は用意して、そこに「ドジャース」と書き記した。「南カリフォルニアが快適で、のんびりとしたライフスタイルを愛し、風景を知り尽くしている。まさに自分の人生を歩むことができる」と説明している。ただ、「しかしブルージェイズが、オオタニの決断を興味深いものにしているのも確かだ」と、ブルージェイズの存在も無視できないとした。

 また、大谷の契約金に関しても記載。「オオタニに興味を持っているチームは、チケット販売、マーチャンダイジング、ライセンス、広告費だけで2000万~2500万ドルの価値があると考えている。つまり、新しい契約で年俸5000万ドルを与えたとしても、実際に支払う金額はその半分程度に過ぎない」と、大谷の大きな付加価値に言及した。

構成●THE DIGEST編集部

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