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「伝統あるドジャースとの契約を称賛したい」大谷翔平の移籍に米重鎮記者が満悦「ロバーツ監督の発言で不利にならなかったことを嬉しく思う」

THE DIGEST編集部

2023.12.11

ドジャースと10年7億ドルで契約した大谷。写真:鈴木颯太朗

『New York Post』紙のジョン・ヘイマン記者が、「球界のなかでも一貫して優秀で、歴史的にも重要なドジャースと契約したショウヘイを称賛したい」と、ロサンゼルス・ドジャースと契約した大谷翔平を称えた。

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「契約寸前までいったと噂されたカナダのトロント・ブルージェイズに悪気はない」と断ったうえで、「MLBにとってはドジャースと契約して良かったと思う。"アメリカ人だからだろう"と非難されることを承知で言わせてもらえば、ドジャースは歴史的にも名高く、ジャッキー・ロビンソン、サンディ・コーファックス、ビン・スカリーの球団だ。これで野球はもっと良くなるだろう」と大谷とドジャースの契約を歓迎した。

 ヘイマン記者はさらに、「わたしたちが1年以上も前にオオタニのFAについて書き始めた時から、ドジャースは支持されてきた」として、2つの理由を説明。「ドジャースがもっとも安定した勝者であることと、オオタニが南カリフォルニアを愛していることだ」と記している。

 ブルージェイズについては、「ジェイズはカナダという国全体を代表する球団で、もちろんチームにとってマーケティング資金を得るためのいい機会だったかもしれない」としながらも、「ジェイズの一部の関係者は今でも"利用された"という感覚があるようで、現状、おそらくその可能性は高いと思われる」と、大谷の代理人を務めるネズ・バレロ氏らの作戦だった可能性を指摘した。
 
 その結果、ブルージェイズは大谷と契約できなかったばかりか、「トレードでヤンキースに移籍したフアン・ソトを獲得するチャンスを逃してしまった」と伝えたヘイマン記者は、「重要なのはオオタニが正しい判断をした、ということだ。それは彼だけでなく、私たちにとってもだ」と大谷のドジャース行きを満足気に記している。

「申し訳ないが、現実は現実だ。ジェイズは素晴らしいチームであり、球団組織もそうだ。過去5年で3回プレーオフに進出。トロントも美しい都市だが、しかしホッケー以外のスポーツに関しては、この場所は少し時代遅れの雰囲気があるかもしれない」

 ドジャースについては、「真剣に野球を追いかけているすべての人にとって、ドジャースは伝統的なフランチャイズだ。チケットは飛ぶように売れ、ファンも夢中になっている。そのチームにオオタニが加わるのだ。ムーキー・ベッツ、オオタニ、フレディ・フリーマンという1番から3番までの打順は、歴史的に見てもトップクラスだろう」と期待を膨らませた。

 最後に触れたのは、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督だった。バレロ代理人は「契約交渉の過程を外部に漏らしたチームは不利になる」と各球団にくぎを刺していたと言われていたなか、ロバーツ監督はウインターミーティングで、大谷と面会したことを正直に明かしていた。

「ロバーツ監督のあの発言が、ドジャースに損害を与えなかったことを嬉しく思う。ロバーツ監督は人格者で、その存在と彼の正直さは、オオタニがドジャースに入団して良かったポジティブな理由のひとつと言えるだろう。繰り返すが、オオタニは正しい選択をした。彼にとっても、そして私たちにとっても」

構成●THE DIGEST編集部

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