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プロ野球

2度のノーヒッターに日本シリーズ記録14奪三振...ドジャースへ旅立つ山本由伸の「珠玉のベストゲーム6選」<SLUGGER>

藤原彬

2023.12.23

3年連続MVP&沢村賞受賞という史上初の快挙を置き土産に、山本はアメリカへと旅立つ。写真:THE DIGEST写真部

3年連続MVP&沢村賞受賞という史上初の快挙を置き土産に、山本はアメリカへと旅立つ。写真:THE DIGEST写真部

 ポスティングでメジャー挑戦を目指していた山本由伸が、ドジャースへの入団を決めた。2021年から3年連続で沢村賞とMVPを手中に収めるなど、プロ入り後8年間で日本球界最強投手としての地位を確立。その過程でマウンドへ上がったレギュラーシーズン通算118試合とポストシーズン8試合から、珠玉のベストゲームを振り返る。

【関連記事】由伸の巨額契約金は大谷の後払いのおかげ?両選手の規格外契約に見え隠れするドジャースの“深謀遠慮”<SLUGGER>

■先発再転向初登板であわや快挙(2019年4月3日)
 一軍に定着してセットアッパーとして実力を示した前年から、満を持して転向した先発で圧巻の投球を披露した。シーズン2カード目の本拠地開幕戦、相手はソフトバンク。2年ぶりの先発マウンドでレパートリーを増やした球種を散りばめ、強力打線を8回1死まで無安打に封じる。

 100球で9回を投げ抜き無失点に抑えながらも援護はなく、延長12回で両軍スコアレスのまま試合は終わった。弱冠20歳の快投に、西村徳文監督(当時)は「絶対勝たせてあげないとダメでしょ」。この登板に象徴されるように、リーグ最下位に沈んだチームで勝ち星に恵まれずシーズン8勝(6敗)にとどまったが、防御率1.95で初のタイトルを獲得。ナンバーワン投手への道を歩み出した。

■“神の子”との鬼気迫る投げ合い(2021年10月25日)
 振り返れば、この試合が近年のオリックスにとって最も重要な勝利だったと言える。25年ぶりのリーグ優勝へ望みをつないで迎えたシーズン最終戦、敗れていれば今季までの3連覇はなかったかもしれない。先発マウンドを託された山本が投げ合ったのは、これまで大事な試合で無類の勝負強さを発揮し続けた田中将大(楽天)だった。
 鬼の形相を崩さない田中に対し、山本は味方野手のミスにも笑顔を浮かべながら試合を作る。5回に先制点の援護を受けると、7回、9回には追加点も得て、122球の完封勝ち。シーズン18勝目で連勝を球団新記録の15へ伸ばし「投手五冠」にもぐっと近付いた。首位に浮上したチームは、2日後に2位のロッテが敗れて1996年以来となるパ・リーグ頂点に立った。

■チームの開幕戦連敗を10でストップ(2022年3月25日)
 1年前と同じ場所で、同じ相手にきっちりとリベンジを果たした。前年に続きベルーナドームでの西武戦で開幕し、2年連続で髙橋光成とのマッチアップ。序盤は互いに点を与えなかったが、5回に山本がバント処理へ執念のダイビングキャッチを披露すると、オリックスの中嶋聡監督が「野手にも火がついた」と語ったように、直後の6回に打線が2点を先取する。

 前年の開幕戦は、野手陣の守備のミスもあって7回4失点。チームはリーグワーストの開幕戦10連敗を喫したが、この日は好守にも助けられて8回4安打で三塁を踏ませず無失点。チームに勝利をもたらしたエースは「昨年できなかった開幕戦勝利ができたことは成長でもあり収穫」と胸を張った。
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