プロ野球

元・大リーガーの薫陶を受けた西武“オールドルーキー”が見据える即戦力としての立ち位置「プロの中継ぎがどれだけ過酷か分かりませんが…」

氏原英明

2024.02.24

西武ドラフト7位の新人、糸川。即戦力として期待されるひとりだ。写真:産経新聞社

 ルーキーといえど、それぞれ立ち位置が異なる。

 高校生であれば3、4年後のローテーション投手を目指すし、大卒であれば、即戦力から2、3年後には主力になって欲しいという青写真のもとチームはドラフトしている。

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 そこにドラフト順位や年齢などを加味されて、ルーキーはそれぞれの立ち位置で1年目を迎えている。

「僕は即戦力として取ってもらっているので、1年目から結果で恩返しをしなきゃいけない立場だと思っていますね」

 そう言い切るのは西武のドラフト7位・糸川亮太だ。高校・大学を経ての社会人からのプロ入り。それも指名解禁明け、即の指名ではないからやや遅れてのプロ入りという味方もある。

 チーム内では"オールドルーキー"の立ち位置になるが、そうであるからなのか、ルーキーにしてはやけに落ち着きがある。一つひとつの練習を当たり前のようにこなし、取材での慣れたような受け答え、ファンサービスを欠かさない姿勢などルーキーのそれではない。プロで1球も投げていない選手の中では影の新人王候補と言っても言い過ぎではない。

 もちろん、投げる球も、コントロールに優れ、シンカーという一芸もある。社会人では先発が多かったが、プロ入り後はチーム事情もあり、リリーフに回る可能性は大いにある。

「社会人時代にリリーフは多くはなかったですけど、中継ぎで投げる時は準備段階では投げる球を少なくして、準備はすぐにできるようにと、田澤さんからも教わったので、それは心掛けてました。世界一になった方なんで、一言一言に重みがありました」

 田澤とはメジャーリーグ・レッドソックスなどで活躍した田澤純一のことだ。幸い、田澤が日本に復帰後、古巣のENEOSに投手兼選手として復帰。糸川とはチームメイトになったのだ。

「メジャーでやってた経験だとか、気持ちの持っていき方やブルペンでの作り方などを聞きました。大きかったのは投げること以外で準備できることを教わりました。ブルペンに行くまでに体を動かすことを重点にすることが大事かなと思っています」
 
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