高校野球

常総学院はエースと4番の活躍で勝利。阿南光・吉岡はテンポ抜群のピッチングを披露!【センバツの逸材たち/第6日】

THE DIGEST編集部

2024.03.25

1回戦に続き2試合連続完投勝利の吉岡。5番に座って1安打とバットでも貢献した。写真:THE DIGEST写真部

 2日間の雨天順延を挟んで、25日におこなわれた大会第6日目。1回戦最後のカードは常総学院高が日本航空石川高を1対0で破ったが、その立役者となったのがエースの小林芯汰と、4番の武田勇哉だ。

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 小林はストレートこそ最速140キロと本来のスピードは見られなかったものの、内角を強気に突く攻めのピッチングを披露。そのストレート以上に素晴らしかったのがスライダーで、奪った9個の三振のうち8個をこの球種で奪っている。スピードは120キロ台前半でもストレートと軌道が変わらず、鋭く斜めに変化するため打者は思わず手が出てしまう。内角に速いボールをしっかり見せていたことも、スライダーの効果を発揮するのに有効だったと言える。
 
 一方の武田は、第3打席で犠牲フライをライトに運び、これが決勝点に。ヒットこそ出なかったものの、第2打席と第4打席でもしっかり四球を選んで出塁している。ゆったりとした大きな構えでボールを見る姿勢が良く、たくましい体格を生かした鋭いスイングで常に長打が出そうな雰囲気がある。また、追い込まれてから低めの変化球をしっかり見極められるのも大きな長所。2回戦以降はそのバットから快音が聞かれることも十分期待できそうだ。

 そしてこの日最高のパフォーマンスだったのが阿南光のエース、吉岡暖だ。立ち上がりにヒットと送りバントでピンチを招いたものの、連続三振で無失点で切り抜けると、2回以降も三振を量産。最終的に被安打5、14奪三振の無四球完封でチームを勝利に導いた。ストレートは140キロ前後で驚くような速さはないものの、100キロ台のカーブで緩急をつけ、縦のスライダーとフォークも決め球として十分な威力がある。四死球0ということで制球力も高いが、それ以上に目立つのがテンポの良さで、走者を背負っても全く慌てる様子がなかった。夏までにもう少しストレートのスピードが上がってくれば、高校からのプロ入りも見えてくるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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