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「離婚した両親が言い争っているようなもの」サイ・ヤング賞右腕が投手の故障をめぐるMLB機構と選手会の対立を一刀両断<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2024.04.10

昨季、初のサイ・ヤング賞に輝いたコール。MLB機構と選手会の対立に苛立ちを露わにした。(C)Getty Images

昨季、初のサイ・ヤング賞に輝いたコール。MLB機構と選手会の対立に苛立ちを露わにした。(C)Getty Images

 相次ぐ有力投手の故障は果たして本当にピッチクロックなのか?

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 ここ数日、メジャーリーグではこの論争が大きな話題となっている。

 2020年のサイ・ヤング賞右腕シェーン・ビーバー(ガーディアンズ)、昨季、最多勝&最多奪三振のタイトルを獲得したスペンサー・ストライダー)ブレーブス)、そして次代の球界を担う逸材とされるユーリー・ペレス(マーリンズ)が次々に右肘を故障(ビーバー、ペレスはトミー・ジョン手術を受けて今季全休が決まった)したことを受け、MLB選手会は4月6日(現地)、「昨季から導入されたピッチクロックが故障渦を招いた」とする声明を発表した。

 これに対し、MLB機構は「投球間隔が短い投手が長い投手より故障率が高いとする根拠はない」と、ジョンズ・ホプキンス大の調査結果を引用しながら反論。「球速と回転数の上昇が故障続発の主たる原因」と主張している。

 そんな中、両者に対して苛立ちを露わにしたのが、昨季のサイ・ヤング賞投手ゲリット・コール(ドジャース)だ。自身も右肘を痛めて戦線離脱中のコールは8日、故障者リスト入りしてから初めて投球練習をこなした後、約20分間にわたってメディアに自らの思いをぶちまけた。
 コールはMLB機構と選手会の間で選手が「板挟みになっている」と指摘した上で、ピッチクロック導入を懸念する選手の声を軽視してきたとコミッショナーのロブ・マンフレッドを批判。返す刀で、選手会の声明についても「視野が狭く、他の要因を考慮していない」と指摘した。

 昨季、念願のサイ・ヤング賞を満票で初受賞した右腕は、独特の表現で球界の団結を訴えた。

「悪さをした子供の矯正について、離婚した両親が対立しているようなものだ。俺たち(球界)は問題を抱えている。お互いが協力して、少なくとも解決のための努力をしないと」

 原因が何であれ、ストライダーやビーバーのような素晴らしい才能を持った投手が故障でマウンドに立てないのは、球界全体にとっても大きな損失。近年、対立が続いているMLB機構と選手会だが、コールの言うようにここは一致団結して問題解決にあたってほしい。

構成●SLUGGER編集部

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