プロ野球

「周りの人たちを見てる余裕がない」――移籍1年目の吉田輝星が抱く危機感【オリ熱スタイル'24】

どら増田

2024.04.27

甘いマスクで人気の吉田だが、今季は精悍な顔つきに。正念場であるという意識の表れか。写真⚫︎野口航志(DsStyle)

 昨オフ、日本ハムから黒木優太とのトレードでオリックスに移籍して来た吉田輝星。2018年夏の甲子園では"金足旋風"を巻き起こし、同年のドラフト1位で華々しくプロ入りしてから6年。新天地では、同じく元日本ハムの井口和朋とともに、展開を問わずマウンドへ行くリリーフとして起用されている。

 4月26日現在、9試合に登板して3ホールド。このままいけば、自己最多の51登板(22年)を塗り替える可能性が高い。今季に懸ける気持ちは強く、ブルペンでは「周りの人たちを見てる余裕がない」ほど集中しているという。ピンチでの登板は「このチャンスを逃したら次はない」と強い気持ちをもってマウンドに向かっている。また、「先頭打者を出すと次のバッターにいろいろやられる」と、先頭打者の初球は特に繊細な投球を心がけているという。
 
 ストレートの威力にはまだ改善の余地がある気もするが、「カットとスライダーとツーシーム、フォーク、スプリットと変化球の割合の方が全然高い。そういうピッチングできるようになってきたのは、フォームがまとまってきたのもあります」と多彩な球種で相手を翻弄するのが今の吉田のスタイルだ。「試合をちゃんとホールドして繋ぐっていうのがやっぱり頭の中に一番あります。そのためには0で抑えればいい。とにかく0で抑え続けるっていうのは意識してやっていきたい」。

 移籍会見では「これまでは少し落ち着かない部分もあったんですが、今はオリックスでしっかりと頑張ろうと思っています。ピッチャー陣がすごくいいイメージがありますし、僕もしっかりと進化していけるように頑張っていきたい」と飛躍を誓っており、任されたポジションをまっとうする気持ちは今も変わらない。課題のストレートについても、「プロに入った以上、ずっと磨き続けたいと思っている」と研鑽を怠ってはいない。

 吉田は回またぎのリリーフや、先発もこなせるタイプだ「必要としてくれた」オリックスの新たな戦力の一人として、リーグ4連覇に貢献してもらいたい。

文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志(DsStyle)

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