プロ野球

疲労の大きい二遊間のスターであるからこそ――山田哲人や源田壮亮の復調のカギはマネジメントでの負担軽減にあり?<SLUGGER>

氏原英明

2024.04.28

山田(左)は打撃、源田(右)は守備。それぞれ自身のセールスポイントで調子が上がらない。写真:THE DIGEST写真部

 始まりは山田哲人(ヤクルト)だった。

 開幕直後の3月30日、山田はコンディション不良で登録を抹消された。かつてトリプルスリーも達成したツバメの精神的支柱は4月20日に戦線復帰したものの、まだ快音を響かせてはいない。

 西武の二遊間を務める外崎修汰、源田壮亮も開幕から調子が上がらない、遊撃の源田は主に9番を務める打撃が上向かず、守備のミスも目立つ。二塁の外崎は開幕直後こそ良かったものの、4月20日に背中を痛めて以降は状態は良くない。同24日のオリックス戦では、珍しく2人揃ってスタメン落ちした。

 さらに、今季から三塁にコンバートされたロッテのキャプテン中村奨吾も、開幕から打率1割台と低空飛行だ。少し持ち直したとはいえ、いつスタメン落ちしても不思議ではないほどパフォーマンスが悪い。

 源田は早生まれ(1993年2月生まれ)だが、みんな92年生まれ世代の同学年だ。千賀滉大(メッツ)、甲斐拓也(ソフトバンク)、山崎康晃(DeNA)らも同世代にあたり、坂本勇人(巨人)をはじめとする88年生まれ世代に続く当たり年だ。
 
 しかし、30歳を超えてきた彼らのパフォーマンスが、今季は良くないのだ。しかも、共通しているのは彼らは二遊間の選手たちだということだ。

 ここ数年、「二遊間の選手の疲労をどう補うか」がテーマになるのではないかと配信してきた。上記の選手たちに共通するのは年齢やポジションだけでなく、本拠地球場が人工芝であるという点である。

「日本に帰ってきた時は、疲労については考えましたね。アメリカでプレーした選手は結構、日本に帰ってくると怪我も多かったでしょう」

 そう語っていたのはロッテの井口資仁前監督だ。現役時代に人工芝について話を聞いたところ、故障のケアにはかなり気を使わなければならないと語っていた。

 意外に語られることが少ないが、実は二塁手の運動量は半端ない。昨今は左の強打者が多いから、広い守備範囲をカバーしなくてはいけないし、中継プレーやカバーリングなど、とにかく動きの量が普通ではないのだ。長打を浴びた時は外野深くまで追っていくし、ZOZOマリンスタジアムなどのようにとてつもなくファールグラウンドが広い球場もある。
 
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