現地５月８日、米連邦検察はロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の元通訳である水原一平容疑者に関して、銀行詐欺などの有罪を認める司法取引が合意に至ったと発表。ほかにも同容疑者は虚偽の納税申告１件を認める文書にも署名したという。
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　そんななか、米ネットワーク『ESPN』は賭博スキャンダルの舞台裏で動いていた新たな人物の存在を追跡調査した。「ミズハラはオオタニのカネを“Real Housewives”のスターに送金していた」と題する記事を掲載。米放送のリアリティー番組「The Real Housewives of Orange County」に出演中の芸能人、ライアン・ボヤジアン氏が関与していたと報じたのだ。

　連邦検察が公開した訴状において「関係者１」とされていた人物こそがボヤジアン氏だった。記事によれば、47歳のボヤジアン氏と胴元である49歳のマシュー・ボウヤー氏は仲が良く、20年近くの付き合いがあるビジネスパートナーだという。ボウヤー氏が2011年に破産申告した際には、ボヤジアン氏が24万5000ドル（約3800万円）を融資した裁判記録が残っている。

　ボヤジアン氏の代理人はESPNの取材に対し、「現在進行中の捜査に関して連邦検察に協力している」と述べた。複数の情報筋が、同氏はそれによって罪の免責などの見返りを受けているようだと証言している。

　胴元のボウヤー氏は水原容疑者に対して、借金返済はボヤジアン氏が持つ口座に送金するように指示。そのカネを元手に両者を含むグループはリゾートカジノで散財し、カジノから無料の飲食やゴルフ、ショーやスポーツイベントのチケット、ホテルのスイートルーム、プロモチップなどが含まれる“超豪華コンプ”を提供されていたのだ。
  　なお、水原容疑者の罪状認否は現地14日に行なわれることが決まった。今回、連邦検察によって公開された合意文書では、いくつかの新たな事実が発覚している。

　水原容疑者が大谷の口座から送金した総額は「1600万ドル（約24億8000万円）以上」とされていたが、実際の額は「1697万5010ドル（約26億3000万円）」だった。さらに410万ドル（約６億3500万円）の所得申告漏れが指摘され、2023年９月には歯の治療費として大谷から６万ドル（約930万円）の小切手を受け取っている。だが同容疑者は治療代金を大谷のデビッドカードで支払い、小切手は懐に入れて自身の口座に振り込んだという。

　連邦検事のマーティン・エストラーダ氏は「この被告の欺瞞と窃盗の程度は甚大である」と断じ、「彼は信頼を得ていたオオタニ氏を利用し、危険なギャンブル欲を満たした。我々は地域で不正を働いた者に正義の鉄槌を下すことに全力を尽くす」との声明を発表している。

構成●THE DIGEST編集部

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