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プロ野球

独走ソフトバンクは得失点差の記録樹立も視野。健闘を続ける日本ハムはトップ3入りなるか【12球団パワーランキング:1~6位】<SLUGGER>

藤原彬

2024.05.28

FAで加入した山川も期待通りの働き。ソフトバンクの強さはとどまるところを知らない。写真:産経新聞社

FAで加入した山川も期待通りの働き。ソフトバンクの強さはとどまるところを知らない。写真:産経新聞社

 シーズンの約3分の1を消化し、今日から交流戦を迎えるプロ野球。ここまでの12球団の戦いぶりをランク付けした「パワーランキング」を紹介する。今回は6位~1位だ。

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【6位】巨人
23勝21敗4分│勝率.523│得失点差-5

 勝率と得失点差が示すように、まさしく一進一退が続く。先発陣は菅野智之が復活し、戸郷翔征は24日の阪神戦でノーヒッターを達成。課題のブルペンも改善傾向にある。一方、昨季はリーグ最多164本塁打を放った打線はここまで21本のみと元気がない。得点圏打率1割台とチャンスでも打てず、得点数はリーグワーストの113。送りバントを多用する阿部慎之助監督の采配も論議を呼んでいる。開幕前に退団したオドーアに代わる新助っ人ヘルナンデスが起爆剤になるか。

【5位】ロッテ
24勝18敗3分│勝率.571│得失点差2

“令和の怪物”佐々木朗希が開幕から本来の支配力を発揮できず、5月12日時点では借金2だったが、そこから2引き分けを挟んで8連勝。ソフトバンクにも3タテを食らわせ、
勢いに乗っている。打線は期待の若手が相変わらず伸び悩み気味ではあるが、OPS.643はリーグ2位。22年の盗塁王・高部瑛斗も復帰し、今後は得点力向上に期待できそうだ。佐々木も徐々に調子を上げているだけに、あとはベテランの益田直也と澤村拓一が精彩を欠くブルペンの立て直しがカギになりそう。

【4位】日本ハム
25勝18敗2分│勝率.581│得失点差12

 売り出し中の田宮裕涼やFAで加入した山﨑福也の活躍もあり、4月には5年ぶりのリーグ首位に立つなど、下馬評を覆す戦いを繰り広げている。リーグ最多の44盗塁も勢いを助長し、ブルペンの健闘もあって1点差試合で11勝3敗の勝負強さも象徴的だ。ただ、好投を続ける投手陣には打者を圧倒するタイプが少なく、打線も迫力不足の感は否めない。好守を連発する一方でまだ本来の爆発力が鳴りを潜めている万波中正が豪快なアーチを連発するようになれば、6年ぶりのCS進出も見えてくる。
【3位】広島
22勝17敗4分│勝率.564│得失点差24

 先発ローテーションに防御率1.60以下が3人、ブルペンには6人と投手力が際立つ。現在の順位は前年同様にリーグ2位でも、得失点差-15から24まで上向き、首位の阪神まで0.5ゲーム差に詰め寄っている。問題は得点力不足で、巧打者は揃うが選球眼に欠け、20本塁打はリーグ最少。さらに盗塁成功率は5割をやや上回る程度と機動力も心許ない。レイノルズ、シャイナーの新助っ人コンビの故障復帰も先になりそうで、その意味でも無類の勝負強さを見せる小園海斗、和製大砲の末包昇大に引き続き期待が集まる。

【2位】阪神
25勝19敗4分│勝率.568│得失点差21

 しっかり首位に立ち、虎視眈々と球団初の日本一連覇を狙う。最大の強みである投手陣は今季もリーグベストの防御率2.17を記録。打線もチーム打率.223はリーグワーストながら、前年に続いて四球を多く獲得して149得点は2位と堂に入っている。地に足の着いた戦いぶりはさすがだが、その一方で交流戦開始時点で31勝14敗だった昨季ほどの絶対的な強さを感じないのも事実。大山悠輔が不振に陥り、佐藤輝明とノイジーが二軍落ちした打線はいかにも迫力不足で、交流戦での戦いに一抹の不安を残す。

【1位】ソフトバンク
29勝13敗2分│勝率.690│得失点差95

 小久保裕紀新監督が就任し、V奪回を至上命題として迎えた今季は3・4月で貯金12を作るなどロケットスタートに成功。交流戦開始時点で勝率.690と圧倒的な強さを見せつけている。本塁打王3度の山川穂高が新加入した打線は、破壊力増に加えてバランスも整い、12球団ダントツの197得点。野手は好守でも投手陣を盛り立て、防御率2.06も同じく12球団1位。得失点差は早くも95に達していて、平成以降の新記録(2005年ロッテの261)を塗り替えそうな勢いだ。現状で隙を見出すのは難しいが、あえて挙げれば主力にベテランが多いことか。今後はポストシーズンも見据えながらのコンディション維持もテーマになってきそうだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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