何とも感動的な“凱旋劇”だった。
6月3日(現地)、昨季までフィリーズに在籍していたリース・ホスキンス(ブルワーズ)が、移籍後初めてフィラデルフィアに凱旋した。
【動画】本人も思わず涙?ホスキンスの“凱旋”にフィリーのファンが総立ちの拍手!
2017年にメジャーデビューを果たしたホスキンスはその年、50試合で18本塁打を量産。その後も強打の一塁手として活躍し、22年のポストシーズンでは計6ホーマーの活躍でリーグ優勝に貢献した。特に、地区シリーズでスペンサー・ストライダー(ブレーブス)から一発を放ってバットを思いきり地面に叩きつけたシーンは、球団史上に残る名場面としてファンの脳裏に焼きついている。しかし、23年開幕直前に左膝靱帯断裂の重傷を負ってシーズンを全休。そのままFAとなり、ブルワーズへ移籍した。
コミュニティ活動にも熱心だったホスキンス。ジェイミー夫人も22年のポストシーズン中、球場を訪れたファンにビールを奢って人気を集めるなど街に溶け込んでいた。それもあって、フィリーのファンは敵チームの一員として帰ってきたホスキンスを暖かく迎え入れた。
2回表、2死走者なしの場面で打席が回ってくると、フィリーズ時代に使用していた登場曲が流れ、場内アナウンサーがたっぷり間を取りながらホスキンスの名をコールした。その瞬間、シチズンズバンク・パークに詰めかけた4万3553人のファンは総立ちとなって拍手を送った。ファンだけではない。ブライス・ハーパーをはじめとするフィリーズの選手たちや、ロブ・トムソン監督も手を叩いてホスキンスを称えた。
ヘルメットを取り、うなずきながら胸を叩いて感謝の意を表したホスキンスは、まるで熱烈な歓迎に応えるかのように試合でもハッスルした。 5回、四球で出塁すると、すかさず二塁へ盗塁。決して俊足ではないホスキンスの意外なプレーに、捕手のJR・リアルミュートは思わず苦笑いを浮かべた。ホスキンスはさらに次打者のセンター前ヒットで果敢にホームへ突っ込んだが、この時は憤死。今度はリアルミュートがホスキンスのお尻をポンと叩いてダグアウトへ戻った。
極めつきは7回の第3打席だ。球界屈指の好投手ザック・ウィーラーが投じた内角高め95マイルの速球を叩くと、打球は左中間席へ一直線。感動的なホームカミングを締めくくるにふさわしい見事な一発だった。
試合後、ホスキンスはスタンディング・オベーションを受けた際に涙を浮かべていたことを認め、「家族席にいる嫁を見てみたら、彼女も泣いているようだった」と振り返った。一方、フィリーズのトムソン監督は「彼がどれだけ重要な人間か、どれだけこのコミュニティやチームのために尽くしてきたか、この街の誰もが知っている」とホスキンスを称賛した。
フィラデルフィアのファンは全米で最も気性が荒いことで知られる。敵チームはもちろん、地元フィリーズの選手であっても時には容赦ないブーイングを浴びせる。だが、その“激しさ”は心からチームを愛する感情の現れでもある。今回のホスキンスへの歓迎ぶりが、そのことを如実に物語っている。
ウィーラーは試合後、次のように語った。
「だから、ここは最高の場所なんだ。(ファンは)いつ声援を送って、いつブーイングすべきかちゃんと分かっているのさ」
構成●SLUGGER編集部
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6月3日(現地)、昨季までフィリーズに在籍していたリース・ホスキンス(ブルワーズ)が、移籍後初めてフィラデルフィアに凱旋した。
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2017年にメジャーデビューを果たしたホスキンスはその年、50試合で18本塁打を量産。その後も強打の一塁手として活躍し、22年のポストシーズンでは計6ホーマーの活躍でリーグ優勝に貢献した。特に、地区シリーズでスペンサー・ストライダー(ブレーブス)から一発を放ってバットを思いきり地面に叩きつけたシーンは、球団史上に残る名場面としてファンの脳裏に焼きついている。しかし、23年開幕直前に左膝靱帯断裂の重傷を負ってシーズンを全休。そのままFAとなり、ブルワーズへ移籍した。
コミュニティ活動にも熱心だったホスキンス。ジェイミー夫人も22年のポストシーズン中、球場を訪れたファンにビールを奢って人気を集めるなど街に溶け込んでいた。それもあって、フィリーのファンは敵チームの一員として帰ってきたホスキンスを暖かく迎え入れた。
2回表、2死走者なしの場面で打席が回ってくると、フィリーズ時代に使用していた登場曲が流れ、場内アナウンサーがたっぷり間を取りながらホスキンスの名をコールした。その瞬間、シチズンズバンク・パークに詰めかけた4万3553人のファンは総立ちとなって拍手を送った。ファンだけではない。ブライス・ハーパーをはじめとするフィリーズの選手たちや、ロブ・トムソン監督も手を叩いてホスキンスを称えた。
ヘルメットを取り、うなずきながら胸を叩いて感謝の意を表したホスキンスは、まるで熱烈な歓迎に応えるかのように試合でもハッスルした。 5回、四球で出塁すると、すかさず二塁へ盗塁。決して俊足ではないホスキンスの意外なプレーに、捕手のJR・リアルミュートは思わず苦笑いを浮かべた。ホスキンスはさらに次打者のセンター前ヒットで果敢にホームへ突っ込んだが、この時は憤死。今度はリアルミュートがホスキンスのお尻をポンと叩いてダグアウトへ戻った。
極めつきは7回の第3打席だ。球界屈指の好投手ザック・ウィーラーが投じた内角高め95マイルの速球を叩くと、打球は左中間席へ一直線。感動的なホームカミングを締めくくるにふさわしい見事な一発だった。
試合後、ホスキンスはスタンディング・オベーションを受けた際に涙を浮かべていたことを認め、「家族席にいる嫁を見てみたら、彼女も泣いているようだった」と振り返った。一方、フィリーズのトムソン監督は「彼がどれだけ重要な人間か、どれだけこのコミュニティやチームのために尽くしてきたか、この街の誰もが知っている」とホスキンスを称賛した。
フィラデルフィアのファンは全米で最も気性が荒いことで知られる。敵チームはもちろん、地元フィリーズの選手であっても時には容赦ないブーイングを浴びせる。だが、その“激しさ”は心からチームを愛する感情の現れでもある。今回のホスキンスへの歓迎ぶりが、そのことを如実に物語っている。
ウィーラーは試合後、次のように語った。
「だから、ここは最高の場所なんだ。(ファンは)いつ声援を送って、いつブーイングすべきかちゃんと分かっているのさ」
構成●SLUGGER編集部
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