圧巻のピッチングに敵地メディアも舌を巻いた。
現地6月7日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸はニューヨーク・ヤンキース戦に先発登板。7回を投げて2安打7奪三振、2四球無失点の好投に抑えるも、味方打線が援護できず今季7勝目はお預け。しかし、チームは延長11回の激闘を2対1で競り勝ち、カード3連戦の初戦を先取した。
8連勝と破竹の勢いでア・リーグ東地区首位を快走するヤンキース。2年前に大谷翔平との激しいMVP争いを制したアーロン・ジャッジ擁する最強打線を、日本人右腕は怯むことなく堂々としたピッチングで制圧した。
山本は初回からストレートを多用して力で押し込むと、2番のアレックス・バードゥーゴを遊ゴロに打ち取った球速は98.2マイル(約158キロ)を計測。2回は味方の失策も絡み2死一、三塁と得点圏にランナーを背負うも、ホセ・トレビノをスライダーで空振り三振に仕留め、このピンチを脱した。
3回は2つの三振。4、5回は三者凡退に抑えて無失点。6回はジャッジに四球を与えるも、4番のジアンカルロ・スタントンを155キロの高め速球で空振り三振に斬って取った。7回も続投した右腕は1アウトから四球で走者を許すも、後続を二併殺で切り抜けた。メジャー自己最多106球の熱投に、ベンチではデーブ・ロバーツ監督と熱いハグを交わし、このイニングでマウンドを降りた。
一方で、7回までわずか2安打しか打てず、日本人ルーキーに零封されたヤンキース打線。地元メディアは「昨冬の有力な獲得候補」だった右腕のポテンシャルに脱帽しているようだ。
地元のヤンキースをはじめ、辛口な論評になりがちな米紙『New York Post』の電子版は「ヤンキースが取り逃がしたスタープレーヤー、ヨシノブ・ヤマモトに完封される」と、痛烈な見出しで記事を配信。3年連続で沢村賞を受賞した”NPB最高右腕”の実力を素直に認めている。
記事では冒頭、「ヨシノブ・ヤマモトがドジャースに移籍してから6か月余り。彼はヤンキースに、素晴らしい能力を見せつけた」と紹介。「ヤンキースが8連勝中と絶好調だったにもかかわらず、ヤマモトはMLBで最も得点力のある攻撃陣を問題なく攻略した。ヤンキースはこの間、1試合平均6.5得点、合計OPS.812を記録していたが、彼は(2回に)得点圏に走者を2人許しただけで、ほとんどピンチに陥らなかった」と、その快投劇にお手上げ。
ヤンキースのアーロン・ブーン監督も「ヤマモトは本当にメジャーで成功している」と、今季ここまで6勝(2敗)、防御率3.00まで改善したルーキーを称賛。「彼は多くの期待を背負って米国にやってきた。この冬、巨額の契約を結び、非常に注目された選手だった。ヤンキー・スタジアムに来て、多くの人が期待していたことに応えてくれた」と、敵ながら日本人右腕のパフォーマンスに目を奪われていた。
さらに記事では、「ヤンキースは昨年オフ、積極的にヤマモトを追いかけていた。ヤンキースのゼネラルマネージャーであるブライアン・キャッシュマン氏は、9月に彼をスカウトするために来日し、その直後に彼はノーヒッターを達成した」と、ヤンキースが熱心に日本人右腕をリサーチし続け、マークしていた有力選手だったことを紹介。しかし、「25歳のヤマモトはドジャースと総額3億2500万ドル(約465億円)の12年契約を結んだ」と、熾烈な争奪戦に敗れたことを回顧。ヤンキース側も10年契約の3億ドルを山本に提示したことを補足したうえで、大魚を取り逃した過去を嘆く。
同紙は最後に、「ヤマモトはドジャースが巨額を払うほどの価値があるように見えた」と綴るほど、強烈なジェラシーを隠し切れていなかった。
メジャー屈指の名門球団に今季最高のパフォーマンスを披露した山本。NYメディアは、あらためて日本人投手の才能の大きさに感服している。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】山本由伸が7回2安打7K無失点の快投!→ロバーツ監督と熱いハグも
現地6月7日、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸はニューヨーク・ヤンキース戦に先発登板。7回を投げて2安打7奪三振、2四球無失点の好投に抑えるも、味方打線が援護できず今季7勝目はお預け。しかし、チームは延長11回の激闘を2対1で競り勝ち、カード3連戦の初戦を先取した。
8連勝と破竹の勢いでア・リーグ東地区首位を快走するヤンキース。2年前に大谷翔平との激しいMVP争いを制したアーロン・ジャッジ擁する最強打線を、日本人右腕は怯むことなく堂々としたピッチングで制圧した。
山本は初回からストレートを多用して力で押し込むと、2番のアレックス・バードゥーゴを遊ゴロに打ち取った球速は98.2マイル(約158キロ)を計測。2回は味方の失策も絡み2死一、三塁と得点圏にランナーを背負うも、ホセ・トレビノをスライダーで空振り三振に仕留め、このピンチを脱した。
3回は2つの三振。4、5回は三者凡退に抑えて無失点。6回はジャッジに四球を与えるも、4番のジアンカルロ・スタントンを155キロの高め速球で空振り三振に斬って取った。7回も続投した右腕は1アウトから四球で走者を許すも、後続を二併殺で切り抜けた。メジャー自己最多106球の熱投に、ベンチではデーブ・ロバーツ監督と熱いハグを交わし、このイニングでマウンドを降りた。
一方で、7回までわずか2安打しか打てず、日本人ルーキーに零封されたヤンキース打線。地元メディアは「昨冬の有力な獲得候補」だった右腕のポテンシャルに脱帽しているようだ。
地元のヤンキースをはじめ、辛口な論評になりがちな米紙『New York Post』の電子版は「ヤンキースが取り逃がしたスタープレーヤー、ヨシノブ・ヤマモトに完封される」と、痛烈な見出しで記事を配信。3年連続で沢村賞を受賞した”NPB最高右腕”の実力を素直に認めている。
記事では冒頭、「ヨシノブ・ヤマモトがドジャースに移籍してから6か月余り。彼はヤンキースに、素晴らしい能力を見せつけた」と紹介。「ヤンキースが8連勝中と絶好調だったにもかかわらず、ヤマモトはMLBで最も得点力のある攻撃陣を問題なく攻略した。ヤンキースはこの間、1試合平均6.5得点、合計OPS.812を記録していたが、彼は(2回に)得点圏に走者を2人許しただけで、ほとんどピンチに陥らなかった」と、その快投劇にお手上げ。
ヤンキースのアーロン・ブーン監督も「ヤマモトは本当にメジャーで成功している」と、今季ここまで6勝(2敗)、防御率3.00まで改善したルーキーを称賛。「彼は多くの期待を背負って米国にやってきた。この冬、巨額の契約を結び、非常に注目された選手だった。ヤンキー・スタジアムに来て、多くの人が期待していたことに応えてくれた」と、敵ながら日本人右腕のパフォーマンスに目を奪われていた。
さらに記事では、「ヤンキースは昨年オフ、積極的にヤマモトを追いかけていた。ヤンキースのゼネラルマネージャーであるブライアン・キャッシュマン氏は、9月に彼をスカウトするために来日し、その直後に彼はノーヒッターを達成した」と、ヤンキースが熱心に日本人右腕をリサーチし続け、マークしていた有力選手だったことを紹介。しかし、「25歳のヤマモトはドジャースと総額3億2500万ドル(約465億円)の12年契約を結んだ」と、熾烈な争奪戦に敗れたことを回顧。ヤンキース側も10年契約の3億ドルを山本に提示したことを補足したうえで、大魚を取り逃した過去を嘆く。
同紙は最後に、「ヤマモトはドジャースが巨額を払うほどの価値があるように見えた」と綴るほど、強烈なジェラシーを隠し切れていなかった。
メジャー屈指の名門球団に今季最高のパフォーマンスを披露した山本。NYメディアは、あらためて日本人投手の才能の大きさに感服している。
構成●THE DIGEST編集部
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