6月16日(現地)、大谷翔平の2打席連続本塁打でロイヤルズ戦に快勝したドジャース。だが、その喜びをかき消すような悪い知らせが2つ舞い込んだ。
【動画】98マイルの剛速球が左手首を直撃...ムーキー・ベッツへの死球に球場騒然
まず、この試合の7回に左手首に死球を受けていたムーキー・ベッツの骨折が判明。手術の必要はなく、今季中に復帰可能とのことだが、長期離脱が決まった。さらに、前日の試合で早期降板していた山本由伸が右肩回線腱板でIL入り。こちらも復帰はオールスター以降とみられ、同じく長期にわたって戦線を離れることになった。
これにより、アンドリュー・フリードマン編成総責任者は、6週間後の7月30日に迫ったトレード・デッドラインでの補強戦略に大幅な見直しを迫られることになる。
中でも焦点となるのは、ベッツの穴を埋める遊撃手の獲得だ。
少し前から現地メディアでは、コンバート1年目で守備に不安の残るベッツを二塁に戻し、新たに遊撃手を補強するという案の是非が論じられてきた。これまでは「いくつかある選択肢」の一つに過ぎなかったこの案は、今回のベッツの故障によって緊急の課題になったと言える。
では、実際に獲得候補となるのはどのような選手たちなのか。
最大の注目はボー・ビシェット(ブルージェイズ)だろう。2021~22年にア・リーグ最多安打を記録し、過去3年連続20本塁打をクリアするなど、攻撃型遊撃手として実績は十分。実際、ベッツの故障前からドジャースが今夏補強するべき選手のリストに挙がっていた。
だが、問題が2つある。まず1つは今季ここまで打率.237、4本塁打、OPS.629と大不振に陥っていること。もう1つは、ブルージェイズが(少なくとも現時点では)放出を頑なに拒んでいることだ。現在、ブルージェイズは35勝36敗でワイルドカード3位まで4ゲーム差。デッドライン間際になってプレーオフ争いからさらに後退した場合はともかく、現時点でビシェット放出に動く可能性はゼロに近い。
今すぐ獲得できる遊撃手ということなら、ポール・デヨング(ホワイトソックス)も選択肢に入る。過去数年は極度の不振にあえいでいたが、今季はここまで66試合で14本塁打と復調。チームも地区最下位を絶賛独走中とあって、明日にでもトレードが成立してもまったく不思議はない。ただ、近年の不振を思えば今季の成績は出来過ぎのようにも思え、守備も含めて世界一を目指すチームの正遊撃手としては物足りなさは否めないのも事実だ。
ここで視点を変えてみよう。ベッツの故障前から、ドジャースは二塁の攻撃力不足も深刻な問題となっていた。そこで、主に二塁を守る内野手をとりあえず補強し、遊撃はベッツが復帰するまでミゲル・ロハスに何とか持ち応えてもらう、という選択肢もある。
その場合、最有力候補となるのは日本でもおなじみルイス・レンヒーフォ(エンジェルス)だ。昨季後半戦から打撃開眼し、今季はここまでリーグ4位に相当する打率.315をマーク。内外野をこなすユーティリティで、上手くはないがショートの経験も豊富という点もメリットになる。ただ、エンジェルスは来季以降も契約が残るレンヒーフォの放出には消極的と言われていて、実際にトレードが成立する可能性はそれほど高くないかもしれない。
現在、チームは2位パドレスに8ゲーム差をつけて地区首位を快走。ナ・リーグ全体でも勝率2位、得失点差1位と強さを誇っており、決してパニックになる必要はない。同時に、何か手を打つ必要があるのも事実。球界きっての敏腕として知られるフリードマン編成総責任者の決断に注目が集まる。
構成●SLUGGER編集部
【関連記事】「最も不利な判定を下されているのは大谷ではなくベッツ」米データ会社の発表にも本人は「審判だって人間だ」と達観<SLUGGER>
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まず、この試合の7回に左手首に死球を受けていたムーキー・ベッツの骨折が判明。手術の必要はなく、今季中に復帰可能とのことだが、長期離脱が決まった。さらに、前日の試合で早期降板していた山本由伸が右肩回線腱板でIL入り。こちらも復帰はオールスター以降とみられ、同じく長期にわたって戦線を離れることになった。
これにより、アンドリュー・フリードマン編成総責任者は、6週間後の7月30日に迫ったトレード・デッドラインでの補強戦略に大幅な見直しを迫られることになる。
中でも焦点となるのは、ベッツの穴を埋める遊撃手の獲得だ。
少し前から現地メディアでは、コンバート1年目で守備に不安の残るベッツを二塁に戻し、新たに遊撃手を補強するという案の是非が論じられてきた。これまでは「いくつかある選択肢」の一つに過ぎなかったこの案は、今回のベッツの故障によって緊急の課題になったと言える。
では、実際に獲得候補となるのはどのような選手たちなのか。
最大の注目はボー・ビシェット(ブルージェイズ)だろう。2021~22年にア・リーグ最多安打を記録し、過去3年連続20本塁打をクリアするなど、攻撃型遊撃手として実績は十分。実際、ベッツの故障前からドジャースが今夏補強するべき選手のリストに挙がっていた。
だが、問題が2つある。まず1つは今季ここまで打率.237、4本塁打、OPS.629と大不振に陥っていること。もう1つは、ブルージェイズが(少なくとも現時点では)放出を頑なに拒んでいることだ。現在、ブルージェイズは35勝36敗でワイルドカード3位まで4ゲーム差。デッドライン間際になってプレーオフ争いからさらに後退した場合はともかく、現時点でビシェット放出に動く可能性はゼロに近い。
今すぐ獲得できる遊撃手ということなら、ポール・デヨング(ホワイトソックス)も選択肢に入る。過去数年は極度の不振にあえいでいたが、今季はここまで66試合で14本塁打と復調。チームも地区最下位を絶賛独走中とあって、明日にでもトレードが成立してもまったく不思議はない。ただ、近年の不振を思えば今季の成績は出来過ぎのようにも思え、守備も含めて世界一を目指すチームの正遊撃手としては物足りなさは否めないのも事実だ。
ここで視点を変えてみよう。ベッツの故障前から、ドジャースは二塁の攻撃力不足も深刻な問題となっていた。そこで、主に二塁を守る内野手をとりあえず補強し、遊撃はベッツが復帰するまでミゲル・ロハスに何とか持ち応えてもらう、という選択肢もある。
その場合、最有力候補となるのは日本でもおなじみルイス・レンヒーフォ(エンジェルス)だ。昨季後半戦から打撃開眼し、今季はここまでリーグ4位に相当する打率.315をマーク。内外野をこなすユーティリティで、上手くはないがショートの経験も豊富という点もメリットになる。ただ、エンジェルスは来季以降も契約が残るレンヒーフォの放出には消極的と言われていて、実際にトレードが成立する可能性はそれほど高くないかもしれない。
現在、チームは2位パドレスに8ゲーム差をつけて地区首位を快走。ナ・リーグ全体でも勝率2位、得失点差1位と強さを誇っており、決してパニックになる必要はない。同時に、何か手を打つ必要があるのも事実。球界きっての敏腕として知られるフリードマン編成総責任者の決断に注目が集まる。
構成●SLUGGER編集部
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