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「柳田ならメジャーでもスーパースターになっていた」名門ヤンキースで好投するジャーニーマンが振り返る日本時代<SLUGGER>

杉浦大介

2024.07.06

日本ハムを含め数多くのチームを渡り歩いてきたトンキンが名門ヤンキースで意外な活躍を見せている。(C)Getty Images

日本ハムを含め数多くのチームを渡り歩いてきたトンキンが名門ヤンキースで意外な活躍を見せている。(C)Getty Images

 一人の日本球界経験者がヤンキースの一員としてキャリアを再生させている。

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 マイケル・トンキンは2018年に日本ハムでプレーし、4勝4敗12セーブ、防御率3.71の成績をマーク。シーズン後に退団すると、以降はメキシカン・リーグ、独立リーグなどを転々とした。昨季はブレーブスでメジャー復帰を果たして45戦に登板したものの、今春はメッツで2度にわたって40人ロースターを外れる屈辱も味わった。

 この時点でメジャーキャリアの継続は厳しくなったとみなされても仕方がなかったが、4月22日にヤンキースと契約すると、その後は絶好調。長い伝統を誇る名門チームで23試合に登板して防御率1.16、WHIP0.94と見事な投球を続け、貴重な中継ぎ要員としてチームに貢献している。

 34歳となった今、自己ベストの成績を残せるようになった理由はどこにあるのか。また、日本での日々はどんな形で影響しているのか。6月26日(現地)、古巣メッツとの対戦前にシティ・フィールドのクラブハウスで話を聞いた。物静かなトンキンは、じっくりと言葉を選びながらキャリアを振り返ってくれた。

――今季、ヤンキースと契約以降、好投できている要因は? 

しっかりとしたプランを持って投げられていると思う。それと同時に、ホゼ・トレビーノ、オースティン・ウェルズといった捕手たちがそれを理解してくれているのも大きい。キャッチャーたちと一丸となり、余計な心配をしないで済むことは助けになっているよ。
――球種的には2シーム、スライダーがカギになっているという記事も読みました。

特に2シームの割合を増やしたことは助けになっているし、そのおかげでより楽に投げられているとは思う。2シームをストライクゾーンに投げられるようになったのは大きかった。以前は高めに4シームを投げるだけだったのが、今では2種類の速球を持ち、高めと低めに投げ分けることで幅は広がったと思う。

――ここに辿り着くまで、日本を離れた後も独立リーグ、メキシカン・リーグなどを経験しました。今季も一時はメッツからDFAになりましたが、これらの過程でキャリアを諦めようとしたことはあったのでしょうか?

引退を考えたことはなかった。ただ、もう球界に居場所がなくなるかもしれないと考えたことはある。その違いが分かるかな? いろいろ経験して、もうどこでも機会が得られずにやめざるを得なくなっても不思議はないと思ったということ。自分の意思ではなくともね。

――今、日本での日々をどう振り返りますか?

いい時間だったよ。日本ハムではチームメイトに恵まれ、ハイレベルなベースボールがプレーできた。多くのことを学べた日々でもあった。

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