大谷翔平のひとことが、MLBを動かすかもしれない。現地7月15日、オールスターの現実会見に臨んだ大谷は、2028年に開催される米国・ロサンゼルス五輪について出場する意思はあるのかと問われ、「出たい気持ちはもちろんある」と答えた。
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「国際大会は特別だと思うし、オリンピックも特別だと思う。とくにオリンピックは普段野球を見ない人も見る機会になるので、そういう意味では野球界にとっても大事なことかなと思う。個人的に出てみたい気持ちは、もちろんある」
大谷の言葉に反応したのが、ロサンゼルスの地元紙『Los Angeles Times』のコラムニスト、ディラン・ヘルナンデス氏だ。「ドジャー・スタジアム。ロス五輪の金メダルが懸かっている。ショウヘイ・オオタニが打席に立つ。いや、マウンドに立つ。オオタニにはそれが見えている」と書き記したヘルナンデス氏は、五輪の野球に選手を派遣しないMLBの姿勢を糾弾した。
「なぜMLBはできないのか。コミッショナーのロブ・マンフレッドは、なぜしないのか」
五輪での野球は、1992年のバルセロナ大会で正式種目となり、96年のアトランタ大会、2000年のシドニー大会、04年のアテネ大会、08年の北京大会で行なわれてきた。
しかし、12年のロンドン大会、16年のリオデジャネイロ大会では、世界的普及率が低いこと、テレビ中継や報道する国が少なく放映権が世界的に売れないこと、球場の問題などを理由に実施されなかった。
2021年に行なわれた東京五輪2020では追加種目として実施されたものの、24年のパリ大会ではふたたび除外。それでも、28年7月14日から30日にかけて行なわれるロス五輪では、開催都市提案の追加種目として開催が決まっている。
そんななか、大谷がロス五輪への出場に意欲を見せた。ヘルナンデス氏は、「マジック・ジョンソンは最近のインタビューで、ドリームチームで五輪出場するためにマイケル・ジョーダンを説得しなければいけなかった。しかし"野球界のジョーダン"はロス五輪の出場を希望。あらためて説得する必要はない」と記し、球界の顔となった大谷の五輪出場を歓迎した。
ただ、問題になるのはMLBの姿勢だ。「もし、オオタニがロス五輪に参加するには、MLBがシーズン途中にサマーブレイクを取り、選手を派遣する必要がある。しかし、マンフレッドはその見通しに消極的だ」と現状を説明。
それでもヘルナンデス氏は、「オリンピックでは、普段野球を見ない人たちにも野球を見る機会が増える。そういう意味では、野球にとってとても大切なことだ」と語った大谷の意見に賛同。「五輪の舞台に最高の選手を送り込むことが、野球の将来にとって極めて重要だ」と続け、「五輪の視聴者層は、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に比べて数桁多い」と、五輪にMLBのトップ選手を派遣するべきだと主張した。
「92年のバルセロナ五輪に出場したバスケットボールのドリームチームが、国内外でNBAに何をもたらしたのか、誰もが知っているだろう。世界中の子供たちがジョーダンを見て憧れた。バスケットボールは世界的に急拡大し、現在では世界中の選手がNBAに集まっている」
ヘルナンデス氏はNBAの事例を基に、MLBも野球が盛んではない国々にアピールすることが重要だと記した。
「考えるまでもなく、五輪には野球の閉鎖的な環境を打破する画期的な一手を打つチャンスがある。マンフレッドは28年シーズンの途中、1週間ほど経営権を手放すことで、リーグ全体と、そしてオーナーたちが大きな恩恵を受けられることを認識する必要がある。マンフレッドは、オオタニが大きなチャンスを与えてくれたことに気付かなければいけない」
はたして大谷の言葉が、MLBを変えることになるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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「国際大会は特別だと思うし、オリンピックも特別だと思う。とくにオリンピックは普段野球を見ない人も見る機会になるので、そういう意味では野球界にとっても大事なことかなと思う。個人的に出てみたい気持ちは、もちろんある」
大谷の言葉に反応したのが、ロサンゼルスの地元紙『Los Angeles Times』のコラムニスト、ディラン・ヘルナンデス氏だ。「ドジャー・スタジアム。ロス五輪の金メダルが懸かっている。ショウヘイ・オオタニが打席に立つ。いや、マウンドに立つ。オオタニにはそれが見えている」と書き記したヘルナンデス氏は、五輪の野球に選手を派遣しないMLBの姿勢を糾弾した。
「なぜMLBはできないのか。コミッショナーのロブ・マンフレッドは、なぜしないのか」
五輪での野球は、1992年のバルセロナ大会で正式種目となり、96年のアトランタ大会、2000年のシドニー大会、04年のアテネ大会、08年の北京大会で行なわれてきた。
しかし、12年のロンドン大会、16年のリオデジャネイロ大会では、世界的普及率が低いこと、テレビ中継や報道する国が少なく放映権が世界的に売れないこと、球場の問題などを理由に実施されなかった。
2021年に行なわれた東京五輪2020では追加種目として実施されたものの、24年のパリ大会ではふたたび除外。それでも、28年7月14日から30日にかけて行なわれるロス五輪では、開催都市提案の追加種目として開催が決まっている。
そんななか、大谷がロス五輪への出場に意欲を見せた。ヘルナンデス氏は、「マジック・ジョンソンは最近のインタビューで、ドリームチームで五輪出場するためにマイケル・ジョーダンを説得しなければいけなかった。しかし"野球界のジョーダン"はロス五輪の出場を希望。あらためて説得する必要はない」と記し、球界の顔となった大谷の五輪出場を歓迎した。
ただ、問題になるのはMLBの姿勢だ。「もし、オオタニがロス五輪に参加するには、MLBがシーズン途中にサマーブレイクを取り、選手を派遣する必要がある。しかし、マンフレッドはその見通しに消極的だ」と現状を説明。
それでもヘルナンデス氏は、「オリンピックでは、普段野球を見ない人たちにも野球を見る機会が増える。そういう意味では、野球にとってとても大切なことだ」と語った大谷の意見に賛同。「五輪の舞台に最高の選手を送り込むことが、野球の将来にとって極めて重要だ」と続け、「五輪の視聴者層は、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に比べて数桁多い」と、五輪にMLBのトップ選手を派遣するべきだと主張した。
「92年のバルセロナ五輪に出場したバスケットボールのドリームチームが、国内外でNBAに何をもたらしたのか、誰もが知っているだろう。世界中の子供たちがジョーダンを見て憧れた。バスケットボールは世界的に急拡大し、現在では世界中の選手がNBAに集まっている」
ヘルナンデス氏はNBAの事例を基に、MLBも野球が盛んではない国々にアピールすることが重要だと記した。
「考えるまでもなく、五輪には野球の閉鎖的な環境を打破する画期的な一手を打つチャンスがある。マンフレッドは28年シーズンの途中、1週間ほど経営権を手放すことで、リーグ全体と、そしてオーナーたちが大きな恩恵を受けられることを認識する必要がある。マンフレッドは、オオタニが大きなチャンスを与えてくれたことに気付かなければいけない」
はたして大谷の言葉が、MLBを変えることになるのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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