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リーグ最多29本塁打の大谷は「よくできました」、鈴木誠也と吉田正尚は...【日本人メジャーリーガー前半戦通信簿①】<SLUGGER>

藤原彬

2024.07.20

現在、メジャーで活躍する打者は3人。それぞれの前半戦評価は?(C)Getty Images

 7月19日(現地)から後半戦が始まったMLB。ここで、世界最高の舞台で戦う日本人選手たちの前半戦を通信簿形式で振り返っておこう。
※評価は「よくできました」「まずまずです」「可もなく不可もなく」「がんばりましょう」の4段階

【動画】大谷翔平、4度目のオールスターでついに初ホームラン!

■大谷翔平(ドジャース)
前半戦成績/打率.316 29本塁打 69打点 OPS1.036
【通信簿:よくできました】

 リーグ最多の29本塁打目でメジャー通算200本塁打の節目に到達し、OPS1.035もトップで、2年連続のホームランキング&MVP獲得へ視界が開けてきた。DHでMVPを受賞すれば史上初の偉業で、三冠王や40-40達成も夢ではない。打者に専念している今季は元々強かった速球系だけでなく、変化球を例年以上に強打していて、さらならレベルアップを感じさせている。例年、8月後半にはペナントレースから離れた戦いを強いられてきたが、待ちわびた「ヒリヒリするような9月」でどんなパフォーマンスを見せてくれるのかも注目だ。

■鈴木誠也(カブス)
前半戦成績/打率.270 13本塁打 45打点 OPS.813
【通信簿:まずまずです】

 序盤は好調なスタートを切ったが、4月半ばの故障者リスト入りから復帰後は停滞が続いた。昨年から増量してメジャー仕様の身体を作り上げ、打球初速やハードヒット率がメジャー上位に達するなど力強さは増しているが、その副作用か変化球に脆くなり、三振率が増加。それでも、7月に入って再び調子を上げてきており、OPS.938と大爆発した昨季後半戦の再現に期待したい。

■吉田正尚(レッドソックス)
前半戦成績/打率.260 4本塁打 24打点 OPS.696 bWAR0.2
【通信簿:がんばりましょう】

 長打増を目指して臨んだメジャー2年目は打球角度を上げてフライ打球の割合を増やしているが、打球初速減でパワー系の指標は軒並み落ち込んでいる。4月下旬には左手親指の付け根を痛めて1ヵ月以上故障者リスト入りした。コンタクト能力は変わらず優秀だが、173打数で長打は11本のみで、OPS.696は打線内でもワースト級。それだけに、7月5日のヤンキース戦で9回2死から起死回生の同点2ランを放り込んでボストンのファンを狂喜させたのはせめてもの救いで、これをきっかけに再上昇したい。
 
■菊池雄星(ブルージェイズ)
前半戦成績/4勝8敗 防御率4.42 106.0投球回 117奪三振
【通信簿:可もなく不可もなく】

 序盤の好スタートからリーグ最多20先発をこなしたが、6月からは2ヵ月連続で防御率5点台。7月9日のジャイアンツ戦で自己最多13奪三振を記録しながら、前半戦最終登板では自己ワーストの7失点を喫するなど、またもムラが顔をのぞかせた。与四球率2.21は自己ベストペースだが、9イニングあたりで1.36本の被弾とまだ一発病に苦しんでいる。それでも移籍市場ではトップ先発投手の一人に挙げられ、後半戦は新天地に移る可能性が高い。

■ダルビッシュ有(パドレス)
前半戦成績/4勝3敗 防御率3.20 56.1投球回 53奪三振
【通信簿:可もなく不可もなく】

 5月に史上3人目の日米通算200勝に到達し、11先発で防御率3.20とマウンドに立てば好投を続けたが、首、右肘、左足と相次いで故障。5月以降は登板がなく、7月上旬には「家族に関する個人的な事情」で出場制限リスト入りしてしまった。長期離脱の可能性も取り沙汰されていて、ファンを心配させている。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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