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プロ野球

「横須賀での思いは忘れない」DeNA山本祐大、ファームで泥に塗れた日々を胸にハングリー精神で掴む日本一のキャッチャーの座

萩原孝弘

2024.07.20

今季は56万票を超える得票数で初の球宴に選出されたDeNAの山本。写真:萩原孝弘

今季は56万票を超える得票数で初の球宴に選出されたDeNAの山本。写真:萩原孝弘

☆成長著しいキャッチャー

「去年はファン投票で選ばれるなんて、本当に考えてもいなかったんで」。昨年のオールスター戦、球団最多タイの8人のチームメイトが夢舞台でプレーする姿を遠くから見つめていた山本祐大は、素直な心境を吐露した。

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 昨シーズンの前半は、30試合出場で打率.222。1年後は、70試合出場で打率.311。昨年後半からのブレイクからさらに進化した姿をみせ、セ・リーグの捕手で56万2807もの票を集めトップ選出。一気に掴んだスターダムへの道に、喜び、感謝と同時に驚きの感情も隠せなかった。

 3月には侍ジャパンにも抜擢され、シーズンインしてからも進化をみせている点に「去年出させてもらって、また順位争いの状況で使っていただいたっていうのを、自分の中ですごくプレッシャーに感じてましたけれども、それが今年にすごく活きているなっていうのを感じます。そのプレッシャーもいい意味で受け入れられているので」と、相川亮二コーチの「二軍でレギュラーを取っても成長できない。一軍でないとわからない部分がある」との持論通りのプロセスで結果につなげていると告白。

 ここまで62試合でスタメン出場した前半戦に「チームがいい順位で争えてるっていうのが、まずキャッチャーとしてはすごく大事なことだなって思います」と主戦捕手として振り返りつつ「怪我なくやれてるってことはすごくいいことだなって思います。自分でできるケアの部分は精一杯やってるつもりなので、それもすごくできてるシーズンなんじゃないかなとは思ってます」と選手としていちばん大切な、フィジカル面へのアプローチに頷いた。

☆攻守にブラッシュアップ

 昨年後半は打率.309の数字を残し、今年も好調をキープ。バットを上下にリズミカルに動かしながら、トップをキッチリと決め快打を量産していることに「全然ハマらない時もよくありますけど、シーズン1年間通して波が小さいほどいい選手だと思うので。牧(秀悟)にしろ、宮﨑(敏郎)さんにしろ、佐野(恵太)さんにしろ、やっぱりそういう波が少ないじゃないですか。年間通して少ないからこそ、試合に出続けてるなっていうのは感じるので、波を減らせるように常に考えて練習をしていますね。それが良い結果につながっていると思います」と自己評価を下している。

 キャッチャーらしく「ピッチャーによってはそれもあるんですけど」と配球を読むこともあるが「100パーセント読んでいくと、外れた時に大味な打席になってしまうので」とフレキシブルに対応している。
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