プロ野球

「自分の思った数字はあまり残せていない」オリックス・西川龍馬が誓う後半戦のリベンジ【オリ熱コラム2024】

どら増田・野口航志(DsStyle)

2024.07.26

徐々に本来の打撃を取り戻しつつある西川。後半戦の活躍に期待が集まる。写真:野口航志(DsStyle)

 昨オフに広島からFAでオリックスに移籍した西川龍馬が前半戦を打率.254、本塁打4本、31打点、出塁率.288という成績で終えた。

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 投打で戦線離脱する選手が続出する中、87試合中85試合に出場しており、本人が入団会見で話していた「毎年、何かしらかの怪我で離脱することが多いので、まずは怪我をしないこと」に関してはしっかりクリアできている。

 だが、「打撃タイトルを獲りたい」という目標に関しては思い通りの展開にはなっていないのも事実だ。昨年は打率.305、9本塁打、56打点、出塁率.337を記録したことを思えば、決して満足できる前半戦ではなかった。

 西川自身「自分の思った数字はあまり残せてないので」としながらも、7月は打率.327と当たりが出始めており「そうっすね。もうちょっとこう、いい打席が増えればいいかなっていう風に思います。ある程度(配球面を)自分の中で頭を整理して入れれば」と後半戦の巻き返しを誓っている。

「パ・リーグへの挑戦」を掲げてオリックスに移籍した西川だが「パ・リーグのピッチャーは思ったよりも力で押してくる」という印象を持ったようで「もう半分、前半終わりましたし。はい。何とか対応していかないといけない。(対戦を重ねることで)合わせていきたい」と意欲を見せる。
 6月に入ってからは「チャンスの場面では空振りOKぐらいで」といい意味で振り切る気持ちを持てたとのこと。自身の中での調子のバロメーターは「逆方向にライナー打ってる時とか。あとはもう自分の感覚の中」と話している。

 見逃せないのがチャンスでの強さで、得点圏打率は昨年を上回る.307。この点を買われ、4番での起用も増え始めている。一発は少ないが、中嶋聡監督のチーム方針でもある「全員でつなぐ野球」においては西川のような4番打者は適任かもしれない。

「身体の使い方であったり、トップの位置であったり。微妙なことなんですけど、それもコーチやスタッフの方々と話しながらやった結果がいいように来ている」と語っていた通り、一時は.220前後だった打率も.250台まで上げてきた。後半戦はさらにヒットを量産して「パ・リーグでも通用する」姿を見せる必要があるだろう。

 チームにとっても、CS争いはもちろんのこと、その先のミラクルを起こすためには西川の覚醒は不可欠。「『僕が来たから優勝できなかった』とは言われたくない」とも話していただけに、森友哉とともに打線を牽引する存在として、後半戦のパ・リーグをかき回す原動力になってほしい。

取材・文●どら増田 / 野口航志(DsStyle)