そのエピソードがなんとも今年の関東第一らしい。
【動画】誰もが驚く一発! 関東第一の4番・高橋が東海大相模・藤田から技ありの先制ソロアーチ
「見ていなかったんです。畠中(鉄心)と話していて。歓声が聞こえたので、ベンチに行ったらホームランとわかりました」
関東第一の指揮官・米沢貴光は、先頭打者が打席に向かっている中でもディフェンス面が気になっていたと話す。強固なディフェンス力で勝ち抜いてきた関東第一は、東海大相模との準々決勝で両軍無得点で迎えた7回表、4番の高橋徹平のソロ本塁打で1点を先制した。この一発で均衡を破ると、9回にも1点を追加。9回裏に1点差に詰め寄られたものの、今大会3度目の救援登板となったエースの坂井遼が東海大相模の反撃を封じて準決勝進出を決めた。
試合は息の詰まるような投手戦だった。東海大相模のエース藤田琉生は140キロ台中盤のストレートを軸にナックルカーブとチェンジアップを投げ分けるピッチング。一方の関東第一の先発、背番号「10」の畠中は130キロ台のストレートをコントロール良く投げ、スライダーとチェンジアップでゴロの山を築いた。
守備陣のレベルも高く、送りバントさえ許してくれないような隙のないゲームだった。二遊間の守備力をストロングポイントに挙げている関東第一は3併殺を奪い、東海大相模も無失策で応戦。試合の流れはまったく読めなかった。
そんな中で7回表、先頭の高橋に一発が飛び出したわけだが、この勝負は不思議な形で決着がついたといえよう。何せ、打った高橋が「何を打ったか分からない」と話しているのだ。
藤田はストレート、特殊な変化をするカーブを持ち味とする。チェンジアップもあるが、それほど多投するわけではない。この日もトータルで5球くらい。しかし、高橋が打ったのがそのチェンジアップだった。 高橋は話す。
「インコースのストレートが速い。動画を見ている限り、外に逃げるチェンジではなかったので、そこは小手先で対応してファウルで逃げればいいかなと思っていた。カーブは(内に)入ってくる感じなので、インサイドアウトを意識していました。ホームランを打った打席は逃げるという意識よりは、先頭バッターだったのでどんな球が来ても思いきっていこうと思っていて打つことができました」
一方、打たれた側の藤田や捕手の木村海達の意図はどんなものだったのか。2人の証言は共通している。
木村は言う。
「引っ掛けさせたかったんですけど、相手が一枚上手でした。スウィングの軌道に合ってしまった感じです。(高橋は)クロスに構えているのは分かっていたので、外の目付けはできているのかなとは思いました。それで、沈む球を投げたら引っ掛ける打球は増えるかなと思ったんですけど、少し球が高く浮いてしまって、ホームランっていう最悪なものになってしまった」
藤田は身長198cmの長身だが、実はバッタバッタと三振を取るタイプではない。チェンジアップも、あまり投げないとはいえ打たせて取るスタイルに必要な球種だった。
【動画】誰もが驚く一発! 関東第一の4番・高橋が東海大相模・藤田から技ありの先制ソロアーチ
「見ていなかったんです。畠中(鉄心)と話していて。歓声が聞こえたので、ベンチに行ったらホームランとわかりました」
関東第一の指揮官・米沢貴光は、先頭打者が打席に向かっている中でもディフェンス面が気になっていたと話す。強固なディフェンス力で勝ち抜いてきた関東第一は、東海大相模との準々決勝で両軍無得点で迎えた7回表、4番の高橋徹平のソロ本塁打で1点を先制した。この一発で均衡を破ると、9回にも1点を追加。9回裏に1点差に詰め寄られたものの、今大会3度目の救援登板となったエースの坂井遼が東海大相模の反撃を封じて準決勝進出を決めた。
試合は息の詰まるような投手戦だった。東海大相模のエース藤田琉生は140キロ台中盤のストレートを軸にナックルカーブとチェンジアップを投げ分けるピッチング。一方の関東第一の先発、背番号「10」の畠中は130キロ台のストレートをコントロール良く投げ、スライダーとチェンジアップでゴロの山を築いた。
守備陣のレベルも高く、送りバントさえ許してくれないような隙のないゲームだった。二遊間の守備力をストロングポイントに挙げている関東第一は3併殺を奪い、東海大相模も無失策で応戦。試合の流れはまったく読めなかった。
そんな中で7回表、先頭の高橋に一発が飛び出したわけだが、この勝負は不思議な形で決着がついたといえよう。何せ、打った高橋が「何を打ったか分からない」と話しているのだ。
藤田はストレート、特殊な変化をするカーブを持ち味とする。チェンジアップもあるが、それほど多投するわけではない。この日もトータルで5球くらい。しかし、高橋が打ったのがそのチェンジアップだった。 高橋は話す。
「インコースのストレートが速い。動画を見ている限り、外に逃げるチェンジではなかったので、そこは小手先で対応してファウルで逃げればいいかなと思っていた。カーブは(内に)入ってくる感じなので、インサイドアウトを意識していました。ホームランを打った打席は逃げるという意識よりは、先頭バッターだったのでどんな球が来ても思いきっていこうと思っていて打つことができました」
一方、打たれた側の藤田や捕手の木村海達の意図はどんなものだったのか。2人の証言は共通している。
木村は言う。
「引っ掛けさせたかったんですけど、相手が一枚上手でした。スウィングの軌道に合ってしまった感じです。(高橋は)クロスに構えているのは分かっていたので、外の目付けはできているのかなとは思いました。それで、沈む球を投げたら引っ掛ける打球は増えるかなと思ったんですけど、少し球が高く浮いてしまって、ホームランっていう最悪なものになってしまった」
藤田は身長198cmの長身だが、実はバッタバッタと三振を取るタイプではない。チェンジアップも、あまり投げないとはいえ打たせて取るスタイルに必要な球種だった。
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