プロ野球

2020年DeNAの「理想」のオーダーは? “ポスト筒香”の有力候補・佐野恵太は2番起用。二遊間は将来を見据えた布陣

氏原英明

2020.01.18

筒香が抜けた穴は、佐野の成長で補いたい。写真:日刊スポーツ/朝日新聞社

 キャンプインまであと半月。この時期の楽しみといえば、今季の布陣を夢想することだろう。どうすれば、チームのポテンシャルを最大限に引き出せるのか。ここでは、現在の戦力を分析し、得点力向上が見込める「最良のオーダー」を考察する。

    ◆    ◆    ◆

 主砲・筒香嘉智が抜け、ひと工夫が必要なシーズンになるだろう。

 ポスト筒香はそう簡単には見つかりそうにないが、2年連続本塁打王のソト、新外国人のオースティンをうまく配置しながら、やや打線を再建するくらいのつもりで作り直していくことになりそうだ。

 理想の打線は以下のとおりだ。

1(中)△神里和毅 
2(左)△佐野恵太
3(三) 宮崎敏郎 
4(一) ソト 
5(右) オースティン
6(捕) 伊藤光
7(二) 伊藤裕季也
8(投) ──
9(遊)△柴田竜拓
※△は左打ち
 
 筒香がいたレフトには、昨季も左翼を務めた佐野恵太を抜擢し、2番を任せたい。タイプとしてはクリーンアップだが、200打席以上立って、出塁率は.344と好成績を残している。俊足の神里が塁に出ていれば、配球も速球などに偏りやすく、狙える打席を多く作れるはずだ。対戦相手によって、宮崎と入れ替えるなど、柔軟に対応していける。

  一方、下位打線には若い選手を置いた。

 これは6番を打つ伊藤光の出塁率が高いことからも思い切ってできるラインナップだ。昨季まで大和がレギュラーを務めていたショートには、守備力に定評があり、なおかつ打撃ではパンチ力のあるところ見せた柴田竜拓を、二塁手には和製大砲としての期待も高い2年目の伊藤裕季也を抜擢したい。

 将来的なチームビジョンを考えた時、伊藤裕は主軸に育ってほしい人材だ。今季の開幕は、そうした未来を想定した布陣で臨むべきだろう。その上で、二遊間が機能しなかった場合は、大和の遊撃手起用で対応する。また、オースティンがフィットしないようであれば、ソトをライトに戻し、ロペスに再びファーストを任せることになるか。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

【PHOTO】艶やかに球場を彩るMLBの「美女チアリーダーズ」!

【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。