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プロ野球

ありがとうマーゴ!好守と真摯な姿勢で人気を集めたオリックスの助っ人が引退「日本でのプレーは人生を変える経験」【オリ熱コラム2024】

どら増田

2024.09.26

複数のポジションをこなすユーティリティとして昨年のリーグ貢献した“マーゴ”。ファン人気も高かった。写真:野口航志(DsStyle)

複数のポジションをこなすユーティリティとして昨年のリーグ貢献した“マーゴ”。ファン人気も高かった。写真:野口航志(DsStyle)

“マーゴ”の愛称でファンからの人気も高かったオリックスのマーウィン・ゴンザレスが今シーズン限りで引退すると球団が発表した。

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 アストロズ、ツインズ、レッドソックス、ヤンキースなどを渡り歩いたゴンザレス。来日1年目の昨年は84試合に出場して、打率.217、12本塁打ながら、打撃以上に守備で貢献。内野はどのポジションでも素晴らしいプレーを連発し、チームメイトから「さすがメジャーリーガーだ」「守備に対する意識が変わった」と言われるなど、数字以上の貢献度だった。

 年齢的なこともあり、昨年で引退するとの説も流れていたが、ユーティリティプレーヤーとして評価していた球団は今シーズンも契約。今年はキャンプからアンドレア・マチャドやアンダーソン・エスピノーザといった新加入のベネズエラ勢に日本の野球や文化を積極的に教えていたという。メジャーでの実績もある“マーゴ”は、外国人選手の中でも精神的支柱になっていたのだ。

 しかし、今シーズンは23試合の出場にとどまり、打率.131、1本塁打。今年は昨年以上に怪我に悩まされ、不本意なシーズンとなってしまった。日本のファンへ向けて送ったラストメッセージは以下の通りだ。
 
「日本での素晴らしい2年間を終え、皆様にお別れを伝える日を迎えました。チームメイト、首脳陣、ファンの皆様には、私のことを温かく迎え入れてくれて、感謝しかありません。言葉の壁があるにもかかわらず、皆とすぐに絆を深めることができ、フィールド上での全ての瞬間が特別なものとなりました。日本でプレーしたことは人生を変える経験となり、特に家族と共に日本での時間を過ごせたことは、かけがえのない思い出となりました。日本は特別な場所として、これからも私たちの心の中に残り続けます。今日を迎えるまでに、日本でプレーする機会をいただけたこと、思い出や友情に感謝の気持ちでいっぱいです。皆様の世界に私を迎え入れてくれて、いつも応援してくれて、ありがとうございました。皆様を心から尊敬しています。アリガトウゴザイマス」

 在籍期間は短く、成績も決して飛抜けたものではなかったにもかかわらず、ここまで愛された外国人選手は珍しい。それはゴンザレスがメジャーリーガーでありながら、日本のプロ野球にしっかりと向き合っている気持ちがファンにも通じたからに他ならない。

 日本の文化にも積極的に取り組もうとしていた。最も驚いたのは、車が右ハンドルだったこと。昨年はセデーニョとともに駐車場に現れると「オツカレサマデス」と我々に挨拶をしてから、右座席に乗り込む姿をよく見かけた。引退発表後、ファンからも惜しむ声が多々寄せられており、その声は球団やSNSなどを通じて本人にも届けられているはず。紅林弘太郎や太田椋など若い選手たちの意識が向上したのは、間違いなくゴンザレスの功績である。また来日して、彼らの成長を確かめてもらいたい。

取材・文●どら増田

【著者プロフィール】
どらますだ/1973年生まれ。プロ野球では主にオリックスを取材し、週刊ベースボールの他、数々のウェブ媒体でも執筆している。書籍『ベースボールサミット 第9回 特集オリックス・バファローズ』(カンゼン)ではメインライターを務めた。プロレス、格闘技も取材しており、山本由伸と那須川天心の“神童”対談を実現させたことも。

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