もうひとつの「LA球団」はこの先も苦難のシーズンを続けるのだろうか。

　ロサンゼルス・エンジェルスは現地時間９月29日、シーズン最終戦となる本拠地でのテキサス・レンジャーズ戦に０－８で敗れた。これでチームは99敗目を喫し、球団史上、最多敗戦数を更新。最終６ゲームを６連敗という結果で今季を終えている。

「二刀流スター」大谷翔平がチームを去り、新たに就任したロン・ワシントン監督の下、2024年シーズンに臨んだエンジェルスだったが、例年の如く故障者が続出したこともあり、これまで以上に選手層の薄さが露呈。その為、シーズン終了を待たずしてマイク・トラウトをはじめ、選手間からもオフ期間での補強を訴える声が上がったと米国内で伝えられていた。

　来季のチーム作りについての球団内の動きを伝える、米メディア『Essentiallysports』によると、ビッグネームを求める選手の願いが叶うことは難しいようだ。

　現地時間９月30日、同メディアは、「エンジェルスにとって2024年シーズンは順風満帆とは言い難い。ここまで99敗を喫し、悪い意味でのフランチャイズ記録を樹立した」とレポート。さらに、「このままのペースで行くと、エンジェルスは忌まわしい100敗の大台にも到達しかねない。未来への懸念が高まり続ける」などと危機感を示している。
  　その上で、トラウトが「すべてはオーナー次第だ」と、シーズンオフでの補強の訴えに言及。しかし同メディアは「その可能性はかなり低そうだ」と指摘している。ワシントン監督も「私はその決断を下す人間ではないが、ひとつ言えるのは、大物選手の獲得はないということだ」と語っている。同メディアは「ワシントン監督は選手を追加するのではなく、投手から野手、さらにはベンチの選手に至るまで、手元にある選手たちを最大限に活用したいと考えているようだ」と、指揮官の胸中を読み解いている。

　またその一方では、ワシントン監督が来季も引き続きチームを率いるとして、「彼はエンジェルスを立て直すために招聘された。しかし、今季の精彩を欠いた成績を考えれば、彼に有利な結果に終わるかどうかはわからない」として、その手腕を疑問視している。

　トピックでは、補強を望んでいるトラウトがまだ数年にわたって契約期間（2030年まで）を残していると記した上で、「大物選手を獲得できなくても、より賢明な判断を下してロースターを構築することが重要だろう。エンジェルスが最後にポストシーズンに出場したのは10年前であり、ファンは苛立ちを募らせているのだから」と見解を示している。

　選手と首脳陣の間で、早くも深い溝が生じているようにも捉えられる中、エンジェルスは来季へ向け、どのような立て直しを試みるのだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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