プロ野球

「少ないチャンスを活かせるように」――渡部遼人が引退の小田裕也からかけられた言葉を胸に来季へ【オリ熱コラム2024】

THE DIGEST編集部

2024.10.28

渡部は21年ドラフト4位で入団した大卒3年目の外野手。今年9月には日本ハムの守護神・田中正義からサヨナラタイムリーを放った。写真:野口航志

 オリックスの外野手、渡部遼人は今季、代走や守備固めで65試合に出場した。打率は.182に終わったが、持ち前の守備範囲の広さで存在感を発揮。出場機会は前年の32試合から倍増した。今季限りで、同じく走って守れるタイプだった小田裕也が引退。彼に代わる活躍が求められるところだ。

 渡部は今季を振り返り、「特に前半戦はいろんなところでもっと詰められるところがあったんじゃないかなと思っていた。後半戦に良くなってきた部分もありますが、そこは来シーズンしっかり取り組んでいきたいですね」。特に打撃や走塁をさらに進化させていく思いだという。秋季キャンプでは「もちろん力強さとかバッティングの向上とかもありますし、細かいチームバッティングなど自分を犠牲にできるようなプレーも求められると思います。来年のチャンスは絶対少なくなってくると思うので、その少ないチャンスを活かせるようにしたいなと思っています」と、自らに求められるプレーをさらに磨きをかけていく考えだ。
 
 ドラフト1位で即戦力のスラッガー・麦谷祐介(富士大)を指名したこともあり、来季のオリックス外野陣は熾烈なレギュラー争いが予想される。西川龍馬、中川圭太、杉本裕太郎、福田周平、来田涼斗はもちろんのこと、外野をこなせる他のポジションの選手や、新たに外国人選手が加わる可能性もある。

 渡部はとにかく"スペシャリスト"なのが強味。小田からは「あと、頼んだぞ」とメッセージももらったそうだ。「(小田の)レベルまで上げるのも結構まだまだ僕には足りないので。いろんな経験とかも含めて3年間勉強させてもらったので、これからより自覚を持って、自分のプレーを突き詰めていきたい」とさらに気持ちを引き締めた。俊足巧打の猛牛戦士として覚醒するのを、楽しみに見守っていきたい。

文⚫︎THE DIGEST取材班
写真⚫︎野口航志