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侍ジャパン

「感動して泣きそうだった」”びしょ濡れ”台湾チアが激白した侍ジャパン雨中の激闘。現地紙、井端監督も東京ドームでの頂上決戦を願う/現地発【プレミア12】

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2024.11.19

雨中の試合でも台湾チアたちは応援の準備をする。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

雨中の試合でも台湾チアたちは応援の準備をする。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 異国の地で侍ジャパンに熱いエールが送られた。

 現地11月18日、野球の国際大会「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」のグループB・オープニングラウンドの全日程が終了した。スーパーラウンド進出を果たしたのは日本(5勝0敗)と台湾(4勝1敗)で、大会初代王者の韓国は3位(3勝2敗)で予選敗退が決定した。本開催を実施した台湾国内では日本戦にも熱い視線が注がれ、球場では連日地元ファンが熱烈な応援を送っていた。

 開幕3連勝の好スタートを切った侍ジャパンは、台北ドームから舞台を北に約30キロ離れた野外の天母スタジアムでキューバ戦とドミニカ共和国戦を実施した。あいにく両日とも朝から雨が降り続き、風も強く吹いて気温も低く、上着は必須。グラウンドコンディションも悪く、普段はしないような失策や悪送球が日本選手にも見られた。試合後に一部選手からは「粘土みたいだった。マウンドの土がとれず、重いスパイクを履いてプレーしている感じだった」と漏らすほど、少なからずプレーに影響を及ぼしたことは確かだった。

 そんな悪天候のなかでもスタンドでは地元ファンが熱烈な声援を侍ジャパンに送っていた。日本の選手がシングルヒットや併殺打、三振を奪うたびに大きな歓声が上がり、まるでホームのような雰囲気は台北ドームから変わらず。それにプラスして彩りを加えたのは、日本のファンから連日熱視線が注がれる台湾チアのパフォーマンスだ。

 両軍の攻撃時にはキュートな笑顔とキレキレダンスで魅了し、音楽にはYOASOBIの『アイドル』、いきものがかりの『ブルーバード』などを流したり、日本列島を空前のブームに巻き込んだ『キツネダンス』まで披露する極上のサービスっぷりで日本のファンを楽しませた。さらに小ネタとして、チャレンジ要求中のBGMには人気アニメ『遊戯王』を起用。それに気づいた日本の野球ファンはSNS上で小さくない盛り上がりをみせていた。
 
 さらに驚きだったのは台湾チームが試合中にもかかわらず、日本の試合まで応援していた事実だ。

 17日の第4戦キューバ戦、日本は1点リードの9回2死満塁で一打逆転の大ピンチを迎える。台湾がオーストラリアと戦っていた台北ドームでは大型ビジョンで先に始まっていた日本戦の状況がたびたび映し出されていた。

 そして9回表の台湾の攻撃前のビジョンに突然、絶体絶命の窮地に立たされた日本が、あと1アウトで勝利という痺れる状況がライブ映像で流された。マウンドの藤平尚真が2ストライクからフォークで空振り三振に斬って取り、侍ジャパンの勝利が決まると、ドームは割れんばかりの大歓声。まだ台湾の試合が終わってないにもかかわらず、観客同士がハイタッチを交わして日本の勝利を祝福するように拍手を送っていた。
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