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プロ野球

【キャンプの見どころ】阪神最大の焦点は、同学年の遊撃手争い。投手は藤浪、岩貞らの巻き返しに期待

氏原英明

2020.01.27

春季キャンプでは、遊撃手争いで北條と木浪との守備争いが過熱しそうだ。写真:朝日新聞社

春季キャンプでは、遊撃手争いで北條と木浪との守備争いが過熱しそうだ。写真:朝日新聞社

 プロ野球の春季キャンプが一斉にスタートする。フリーエージェント(FA)による移籍やルーキー、新外国人など新加入選手によってチーム編成は新しくなったが、各チームがシーズンを勝ち抜くためのポイントはどこにあるのだろう。キャンプで注目される見所を探った。

    ◆    ◆    ◆

 ミスタータイガースとして長く阪神の遊撃手を支えてきた鳥谷敬が退団、これからのタイガースの遊撃手争いは、若い世代に託され新時代を迎える。

 そのトップで争いを繰り広げるのが、北條史也と木浪聖也だ。

 同学年であり、高校時代は同じ青森県でライバルとして凌ぎを削った間柄だ。プロでも争う構図は、もったいない気もするが、この戦いを終えた果てには、次世代のショートストップが生まれているはずだ。

 打線のメンツを見れば、左打者偏向打線だけに、北條がレギュラーをとるのが理想的だ。しかし、木浪のディフェンス力を推す声も多い。ややもすると、彼らの頑張り次第では内野陣のシャッフルが行われるかもしれない。昨秋のキャンプでは三塁手の大山悠輔を二塁でテスト。北條は三塁と遊撃を守ることができるし、二人は二塁も可能なはずだ。

 キャンプ後にどういう布陣になっているか楽しみだ。

 一方、外野陣も熾烈な争いになる。
 中堅手の近本光司はレギュラー確定で、もう1枠は糸井嘉男で決まりだろう。昨季までだと福留孝介にもポジションが用意されていたが、そろそろ、違うメンバーが出てこなければいけない。

 新外国人のサンズを中心としながらも、高山俊や江越大賀、中谷将大など、伸び悩みの渦中にいる選手たちがどこまで巻き返すかは注目したい。福留は素晴らしいバッターだが、今年で43歳になる。彼を追いやるぐらいの選手が出てくるかどうかは、チームの浮沈にも関係してくる。
 
 昨季のシーズン開幕前は、むしろ、先発陣への信頼性の方が高かったが、シーズンはわからないものだ。ブルペンを整備して、3位に滑り込む見事な戦いだった。

 そのブルペン陣を支えたジョンソンが抜けたのは大きな痛手だが、前ソフトバンクのスアレスやメジャー経験はないもののマイナーでブルペン専門だったエドワーズを補強。ブルペン陣はある程度の形は見えるのではないか。

 熾烈な争いとなるのは、先発ローテーションだ。
 西勇輝、青柳晃洋の二人は決まっているが、残り4枠は浮動票ばかりだ。
 おそらく、3、4枠目は阪神の中では期待の有望株・高橋遥人、移籍2年目になるガルシアあたりが務めることになるだろうが、5、6番目にはたくさんの投手がひしめいている。

 昨季の先発登板数の多さで言えば岩田稔、秋山拓巳になるが、岩貞祐太やソフトバンクを自由契約となった中田賢一、新外国人のガンケルが未知数ながら、割り込んでくる。その他、データと投球解析からの復活を目指す藤浪晋太郎、台湾のウインターリーグ でたくさんのチャレンジをした馬場皐輔などもいいアピールをして欲しい。

取材・文●氏原英明(ベースボールジャーナリスト)

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【著者プロフィール】
うじはら・ひであき/1977年生まれ。日本のプロ・アマを取材するベースボールジャーナリスト。『スラッガー』をはじめ、数々のウェブ媒体などでも活躍を続ける。近著に『甲子園という病』(新潮社)、『メジャーをかなえた雄星ノート』(文藝春秋社)では監修を務めた。
 

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