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MLB

大谷翔平、フリーマン、スミス…ドジャースの24年WS制覇、選手間で“永遠の絆”が生まれた背景「思った以上に多くの選手たちが…」地元紙が敬意

THE DIGEST編集部

2025.03.04

ワールドシリーズ第2戦で左肩を痛めた大谷翔平は、それでも第5戦まで出場を続けた。(C)Getty Images

ワールドシリーズ第2戦で左肩を痛めた大谷翔平は、それでも第5戦まで出場を続けた。(C)Getty Images

 米紙『Los Angeles Times』が、ロサンゼルス・ドジャースの2024年のワールドシリーズ制覇にあらためて敬意を表した。現地3月3日、「多くの犠牲。ワールドシリーズ優勝のドジャースは想像以上に傷ついていた」と題した記事で、街を挙げて盛大に喜んだ約4か月前を振り返った。

「何年も期待に応えられなかったチームがあの日、ニューヨーク・ヤンキースを倒してMLBの頂点に返り咲いた。フルシーズンでのタイトル獲得まで35年も要した(優勝した20年は新型コロナウイルスの影響で60試合の短縮シーズンだった)。振り返ってみれば、最も意味のある思い出は勝利の結果ではなく、そこに至るまでの困難な道のりにあった。優勝直後には明らかにされなかったストーリーラインがひとつある」

 マックス・マンシーは、「みんな勝利を求めていた。でも、みんな何かを経験していたんだ」。マンシーの言う「何か」とは、健康状態の不安定さだ。同紙は「いまになって思えば、優勝への道のりへの間、ほとんどの選手が100%をはるかに下回る状態でプレーしていた」と続けた。

「“負傷者”はドジャースの24年の中心的なテーマだった。投手陣は一度たりとも、全員が健康だったことはなく、年間を通じて故障欠場者が続出。大混乱のままポストシーズンに突入し、人員はつねに不足していた。韓国シリーズで他球団より1週間早く開幕したレギュラーシーズンは、9月の最終週まで地区優勝争いを演じ、激戦が続いたポストシーズンに突入。投手陣も打撃陣も、誰も息つく暇はなかった」

 ポストシーズンの負傷者でもっとも注目を集めたのが、フレディ・フリーマンと大谷翔平だ。「フリーマンは足首の重度の捻挫、肋骨の軟骨骨折とも闘い、大谷は左肩関節唇断裂。しかし、チームの負傷問題は当時知られていた以上に深刻だった。ウィル・スミス、ギャビン・ラックス、マイケル・コーペックらほとんど全員が、自分の体力の限界と闘っていた。振り返ってみれば、こうした状況での優勝が24年メンバーの最大の誇りとなった」と、舞台裏を明かした。

「シーズン途中に加入し、すぐブルペンの頼れる投手となったコーペックは、プレーオフで10回登板した。しかし、前腕の炎症で当時の健康状態は60%程度だったと明かした。コーペックの負傷は25年シーズンの開幕に間に合わないと報じられた今年1月に初めて発覚。同じくリリーバーのアレックス・ベシアも万全の状態ではないコンディションで登板していた。ベシアの状態はレギュラーシーズンだったら“40日間の休養”に相当していたと本人が語った」

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 また、ブルスダー・グラテロルは肩とハムストリングの故障でレギュラーシーズンは7回の登板に終わり、プレーオフは地区シリーズとリーグ優勝決定シリーズを欠場。ワールドシリーズではロースターに復帰して5試合中3試合で投げている。エバン・フィリップスがリーグ優勝決定シリーズで肩の腱板を断裂。今シーズンの開幕には間に合わない状況だ。

 野手陣では、正二塁手のラックスが股関節屈筋の負傷でリーグ優勝決定シリーズの出場が制限された。ミゲル・ロハスは内転筋を負傷しながら、リーグ優勝決定シリーズとワールドシリーズに出場し、今オフに手術を受けている。正捕手のスミスは24年6月から左足首の骨挫傷に悩まされ、「いまでも痛みがある」とキャンプ中に初めて明かしている。

 マンシーは腹斜筋の重度の捻挫と肋骨のずれでレギュラーシーズンの3か月を欠場。8月に復帰したが、ポストシーズン中も痛みは完全に引いていなかったという。「明らかに身体を酷使している。でも、みんなそうなんだ」とマンシーは語っている。

「大谷はワールドシリーズの第2戦で二塁に滑り込んだ際、左肩を負傷。当時、チームは肩の部分脱臼と発表したが、実は左肩関節唇も断裂していた。ここで大谷のシーズンは終了と思われたが、しかし、大谷は残りの試合に出場するとチームメイトに伝えた。フリーマンは当時の大谷について、“ショウヘイの怪我は、通常、頭より上に腕を上げることができなくなる。でも、ニューヨークでのトレーニングで彼は腕を頭より上に上げていたんだ”。肉体の限界を超えるために毎日4時間の治療を行なっていたフリーマンは、“この男が本物なのか確かめるために、身体を触らなければいけなかった。どうやったら、こんなことができるんだって思ったね”と笑い声を上げた」

 このように昨シーズンを振り返った同紙は、「24年のワールドシリーズ制覇には、さまざまなエピソードがある。思った以上に多くの選手たちが怪我を抱えていた。こうした一つひとつのストーリーがあっての優勝だったのだ。昨年の選手たちの間には“永遠の絆”が生まれ、10月の勝利の思い出に深い意味が加わった」とし、あらためてドジャースの24年のワールドシリーズに敬意を表した。

構成●THE DIGEST編集部

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