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MLB

「大谷翔平はベースボールを変えた」日本大好きなMLB記者に直撃取材!「10年から15年後の野球は劇的に変わる」と断言するワケ

湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

2025.03.22

MLB東京シリーズを取材に来日していたクレア記者。今回のお気に入りは玄米茶だ。(C)THE DIGEST

MLB東京シリーズを取材に来日していたクレア記者。今回のお気に入りは玄米茶だ。(C)THE DIGEST

 ロサンゼルス・ドジャースとシカゴ・カブスによる「MLB東京シリーズ2025」は昨季王者ドジャースが2連勝を収めた。3月18日に東京ドームで行なわれた開幕戦のチケットは即完売し、球場外に設置されたオフィシャルグッズは飛ぶように売れる大盛況だった。現地取材したTHE DIGESTは『MLB.com』の敏腕記者であり、大の親日家であるマイケル・クレア氏を直撃取材。6年ぶりに日本で開催された歴史的な1日を振り返ってもらった。
【画像】大谷の顔がパッケージされた「お~いお茶」をコンプリートした実際の写真

 日本列島が大注目したMLB開幕戦はドジャースが山本由伸、カブスは今永昇太が先発登板。メジャー史上初となる日本人開幕投手の投げ合いは、山本が5回3安打、4奪三振1失点の好投でドジャースが開幕戦をモノにした。

 両チームの記者会見が終わり、時刻はすでに午前0時を過ぎていた。東京ドームの記者席に座っていたクレア氏は熱心にパソコンに向かって記事を書いていた。「邪魔しちゃまずいよな...」と思い、諦めて帰り支度をしていたところ彼と目が合った。

「やあ久しぶり!元気かい?(昨年11月の)プレミア12以来だよね」
 
 素直にうれしかった。「Do you remember me?(僕のこと覚えてるの?)」と返すと、「もちろんさ! ブラザー!」と声を弾ませた。グラウンド上では明日の第2戦に向けて球場スタッフが準備を進めるなか、私の拙い英語の質問にクレア氏は真摯に答えてくれた。

 まず最初に日本のファンについて質問すると、開口一番「雰囲気は超最高だ。オウエンダン(応援団)がいなくて、トランペットや歌が聞けなかったのは寂しかったけど、球場は満員だったね。開幕日はみんなとても興奮していた。もちろん私もだ。午前中スタジアムの外に行くとすでに多くの人が溢れていたから、夜の試合を楽しみにしていたよ。そんな光景はアメリカの球場では、どこにも見当たらない。日本の観客は最後の一球まで集中して席に座っていたし、本当に素晴らしい雰囲気だった」と声を弾ませた。

 ただし、試合内容に関しては「いい試合だったけど、素晴らしい試合ではなかったかな。一進一退という感じではなかったと思う」と言及。目の肥えたMLB記者らしく寸評は少し辛口だった。プレシーズンゲームから試合を見ているクレア氏は「あらためて日本の野球はメカニズムからプレースタイルまで、MLBとまったく違うね」と答える。だがしかし、近年の日本とアメリカの野球のスタイルについては「近年2つのリーグは、どんどん似てきていると思う」と興味深いことを口にし、ある提案をした。

「阪神タイガースの投手(才木浩人)がドジャースのタイラー・グラスノーのチェンジアップ(※実際はカーブ)を学んでいるのをフィールドで見た。つまり、ギブアンドテイクがあったんだ。このような親善試合が増えれば増えるほど、MLBの選手が日本の野球から何かを学ぶこともあるだろうし、日本の選手がメジャーから何かを学んだりすることもある。だから両国は、以前のようにもっと積極的に球団間で交流を図ればいいのにと思うよ」
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